サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

現代マルクス主義を考える

セルジュ・ラトゥーシュ

セルジュ・ラトゥーシュ。フランスを代表する政治・経済・哲学者とのこと。 脱成長を早くから主張している人で2010年前の著書で10刷までいっているのでそれなりに読まれた読まれたのだろう。 13年前も地球環境問題を学んでいて、「成長の限界」は読…

「資本主義の次に来る世界」⑱ 民主主義の力

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 2014年、ハーバード大学とイエール大学の科学者チームが、自然界に対する人々の考え方について調査した。 知りたかったのは、人々は限りある資源を将来の世代と共有しようとするかどうか?だった。 私たちが孫世代…

「資本主義の次に来る世界」⑰生態系破壊産業を縮小

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 大量消費を止める緊急ブレーキの5つ目は、生態系を破壊する産業を縮小することです。 その代表例に著者ヒッケル氏があげているのが牛肉産業です。 驚くべきことだが、世界の農地の6割近くが牛肉を生産するために…

「資本主義の次に来る世界」⑯所有権から使用権へ移行

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 資本主義には、物を所有するという非効率的な側面がある。 だいたい広告が、絶えず目から耳から刺激を与える。 使うことより、買って所有する事に関心が向く。 他人よりも良い物をもっているとか、他の人よりも安…

「資本主義の次に来る世界」⑮食品ロスを減らす

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 4つ目のブレーキは、食品廃棄を終わらせる、です。 世界では干ばつで飢えている国が多くあるのに、毎年、最大で50%、20億トンの食品が廃棄されているという。 高所得国では、農家は見栄えの良くない野菜や果…

「資本主義の次に来る世界」⑭広告を減らす

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 著者のJ・ヒッケル氏は、大量消費を止める5つのブレーキを提唱。 その①が、先に紹介した「計画的陳腐化」をなくす事。 ②が今回紹介する「広告を減らす」ことです。 本来、必要が満たされると、新しいモノを買おう…

「資本主義の次に来る世界」⑬計画的陳腐化

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 著者のヒッケル氏は、大量消費を止める5つのブレーキを提唱。 そのステップ①が計画的陳腐化を終わらせること。その例を紹介している。 1920年代の米国のジェネラル・エレクトリック社ら電球メーカーはカルテルを…

「資本主義の次に来る世界」⑫成長は富裕層のため

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 アメリカは一人当たりのGDPが1970年代の2倍になっているそうです。 相当に豊かな国なのだけど、40年前に比べて、 貧困率は高くなり、実質賃金は低くなった。 経済成長の利益は富裕層に流れ、上位1%の年収…

「資本主義の次に来る世界」⑪成長幸福の幻想

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 GDPは人を幸福にしない。「GDPの増加は重要な社会的成果の向上にほとんど寄与しない」-著者は、事実を持って指摘する。 平均寿命。米国は一人当たりのGDPが5万9500ドルで、世界で最も裕福な国のひとつ。平均…

気候危機の学習会

今日は久しぶりに「地球環境問題-気候危機」の学習会があり、講師というか話をしました。 年配中心の小グループの会合で8人参加でした。 事前の質問用紙にも答えていただき嬉しかったです。 中学の理科?のような、どうだったでしょうか。 わかりやすく、楽…

「資本主義の次に来る世界」⑪良い人生に必要なものとは?

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 第4章は、良い人生に必要なものとは何か? となっている。 たしかに物質文明が便利な社会を生み出したには違いないが、果たして人々はそれほど幸福なのか? 「成長主義がわたしたちの政治的想像力を支配している」…

「資本主義の次に来る世界」⑩技術革新のジレンマ

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 「ジェボンズのパラドックス」、意味合いは聞いた事があったが、言葉としては初めて知った。「カッシューム・ブルックス仮説」というのもある。 技術革新、効率化を進めれば、資源利用は少なくなる、というのが一…

「資本主義の次に来る世界」⑨マテリアル・フットプリント

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 最近、デカップリングが有名になってきている。 経済成長は進めながら、それと切り離して温室効果ガス排出量を減らす。 北欧諸国など、そういった面が見られる。先進国が目指しているグリーン成長。 確かに、再エ…

「資本主義の次に来る世界」-グリーン成長の問題点⑧

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 私も一時期、グリーン・ニューディールに期待していた。化石燃料経済よりましだと思ってー。 でも、成長と不可分なら解決には程遠く、問題の先送りにしかならない。 著者は言う。 「世界経済が今のペースで成長し…

「資本主義の次に来る世界」-⑦テクノロジー

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 成長神話と一体的にあるのがテクノロジー神話です。 技術が人々を幸福にし、気候危機問題も解決する‥‥ それほど単純でもないようです。 BSCCS→大気から、あるいはバイオマス発電でCO₂を回収し、地下に貯留する技…

「資本主義の次に来る世界」⑥人為的希少性

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 今、私たちを支配している思想は、「成長」という神話。グレタによればおとぎ話。 物は不足していないのに、必要な人に与えらないので人為的な希少性を作り出すのが資本主義。 著者は、希少性を生み出す原点、コモ…

「資本主義の次に来る世界」⑤指数関数的成長

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。 投資家が成長を追い求める。著者は、価値増殖を求める資本の運動から、「人間が必要」とする事より利益にこだわると指摘する。 更に言えば利益よりも利益率に、どれだけ成長するか、成長率を追い求めているという…

「資本主義の次に来る世界」④アニミズム

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。「二元論による人間と自然の分断」の節も面白かった。資本主義を推進させるうえで、暴力以外に、人間は自然とは違うものという二元論が浸透させられたというものだ。 30万年に及ぶ人類社会の初期、人々は生存が周囲…

資本主義の次に来る世界」③

「資本主義の次に来る世界」-この本は、資本主義の成長主義の害悪を歴史的に明らかにしている。囲い込みは、ヨーロッパで行われたが北米など新大陸「発見」、探検という形でグローバルサウスに広がっていった。それは自然と人間の囲い込み略奪。 著者によれ…

「少ない方が豊かである」②「資本主義の次に来る世界」

「資本主義の次に来る世界」(東洋経済・ジェイソン・ヒッケル著)の続きです。 「はじめに」の部分は、「人新世と資本主義」なっており、人類が破壊しつつある地球の様々な姿を概括し、その原因は資本主義というシステムにあることを明らかにした。 そこか…

少ない方が豊かである①

「少ない方が豊かである」ン~??? どういうことでしょう。 で、この本「資本主義の次に来る世界」(東洋経済・ジェイソン・ヒッケル著)を読んで知りたいと思います。 この方、文章がうまい。わかりやすい。どうやったらこんな文章書けるんでしょうか? …

ヘーゲル「精神現象学」

学びとは? こういうものだった。 ヘーゲルの「精神現象学」、名前は知っているけど読んだことはなかった。 でもなんとなく、、「弁証法」という考え方を持った人だけど、「観念論」者で「良くない人」のような印象として学んでいた。 これはマズかった。 若…

江守征多-脱成長考

これはなかなかです。 脱成長論、ここまで来た。 時代が求めることに応える反応。 . news.yahoo.co.jp

私たちが『資本論』に惹かれる理由

「大洪水の前に」は、マルクスを知ろうとする人にとっては、とても大事な本です。 文庫本が出版されて良かった。難しそうでもあり3000円以上もしたので迷ったあげく買った本。一応2回読んだので、文庫本1500円程度分はあったかも。 . kadobun.jp

斎藤幸平さんと、玉城デニーさんの対談

KADOKAWAの『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』、『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』の新刊刊行を記念して行われた斎藤幸平さんと、玉城デニーさんの対談動画です。 斎藤さんが基地問題で話をするのは初めてだったと思います…

哲学系ゆーちゅーばーじゅんちゃん

参考になる動画でした。 また、コメントも一通り読みましたが、とても参考になりました。 様々な人が、それぞれの立場や認識から多様な意見を発し、それを自分なりに読み解き、自分の考えを持つことは大事と思います。 . www.youtube.com

ゼロからの「資本論」

斎藤幸平氏の「ゼロからの『資本論』」を読んだ。新書版でもあるが、わかりやすく書かれている。 そうですね、資本論の文章を「正確」に解説するというより、現代の視点から見れば、マルクス資本論が言いたいことは何なのか? といった観点に思える。 なので…

中国-女性の権利向上へ たたかう

. 1/1「赤旗」記事です。 弾圧厳しい中国においても、女性のたたかいは起こっている。

コモンズとして考える神宮外苑

どうぞ動画、記事をご覧ください。 若い頃、東京の千駄ヶ谷で働いていて、総武線ガード下の明治通りの歩道がバイクの置き場だった。 時おり神宮外苑、銀杏並木あたりも行ったことがある。 オリンピックのための巨費の国立競技場が作られ、今度は近隣が開発さ…

LIMITS-脱成長から生まれる自由③

自由とは「必然の洞察である」と、若いころ哲学の本で学んだことがある。 つまり、対象の性質や構造を知り、それに応じた働きかけをすれば、望むことを実現する自由を得られる、ということのようだった。 ただ今日からみて、どうだろうか? この本は、そのこ…