サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「資本主義の次に来る世界」④アニミズム

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。

「二元論による人間と自然の分断」の節も面白かった。資本主義を推進させるうえで、暴力以外に、人間は自然とは違うものという二元論が浸透させられたというものだ。
 30万年に及ぶ人類社会の初期、人々は生存が周囲の生物システムに依存していることを知っており、生物コミュニテイの一員であり、本質的な特性は他の生物と同じだと考えていたようだ。
 これはアニミズム(精霊信仰)と呼ばれ、基本的に人間と自然を区別せず、つながっていて、動植物は、親類と見なしていた。
 なので、生活の糧である狩猟や採取を行っていたが、敬意と礼儀があり、生態系が再生できる量より多くは取らず、土地を守り修復することで生態系にお返しをしていた。
 確かに私たちは、人間は自然を征服しながら豊かになると信じている。食べ物や着る物、その他、使う多くの物がどこからどうやって来たのか知らないし、廃棄も含め、どれほど自然に負荷をかけているか無関心だ。
 この人間至上主義、科学・技術万能主義の考え方をベースに、人間の生産と流通と消費が惑星・地球の限界を超えつつあること、これが地球環境の問題の原因だ。それは成長を目的とする資本主義社会が求め作り出したことに他ならない。
 ここで、環境問題について。私も以前からこの「環境」という言葉に人間中心の問題性を感じていた。人間のまわり-「環」というよりも、おかしくなっているのは人間を含む全体ではないか?と思っていた。そして原因は、全体よりもたった一つの生物種の人間が唯一の原因だと。
 かつて古代の宗教や霊の信仰は、非科学的だと愚かしくみていた。しかし今、科学と技術の知的作業が人間を本当に幸福にしている疑っている。生物種を絶滅に追いやっていて、やがて生物種の一員の人間も自らもそ、こに向かっている。これが賢いことなのか? 考えてみる必要がある。
(写真-ウィキペディア:森林・上高地)