サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

民主主義・人権・情報

スパイ防止法と「内なる敵」

「朝日」に、スパイ防止法と「内なる敵」と題する荻野富士夫小樽商大名誉教授のインタビューが載った。 治安維持法研究者の第一人者ということだが、鋭い指摘が書いてある。紹介する。 参院選での参政党神谷代表の治安維持法に関連する発言は、おぞましいも…

中国 人権派弁護士弾圧から10年

7/7「赤旗」から紹介です。 「709事件」は、2015年7月9日に中国の人権派弁護士らが一斉に弾圧を受け、弁護士資格はく奪や懲役、禁固刑を受けた事件。 少なくない弁護士や活動家は、今なお当局の監視下に置かれている。 「困難を抱える人たちを、法律を使…

テクノ封建制ー報道1030

報道1030でテクノ封建制で報道された。 バルファキスのインタビューもある。 解説を書いた斎藤幸平のコメントもある。 番組の先見性があるなぁ。www.youtube.com

テクノ封建制③-中国の金融クラウド

テクノ封建制のつづきです。 (写真:ヤニス・バルファキス:ウィキより) 「ドル支配はいつ終わるのか?」→経済の話は難しく、十分な理解ができないけど、社会の大きな変化が起きているので努力して書いてみる。 米国の世界経済支配は、ドルの決済に基づいて…

テクノ封建制② AアレクサとGアシスタント

「テクノ封建制」の続きです。https://echohikakuguide.com/2021/07/10/post-5340/ 私がある人に電話した時に、「アマゾン・アレクサです。要件はなんでしょうか?」と聞いてきた。女性の声で自然な感じで電話にでたのはアマゾン・アレクサだった。要件を伝…

治安維持法-制定100年

今日は、治安維持法が制定され100年目の日です。 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟ほか各団体が、再び戦争への道に向けて監視、弾圧社会にならないように、全国的に宣伝行動をしました。 私も誘われて参加。 治安維持法を知らない人も多く、なんと声をか…

トランプへの反撃が始まった

トランプのアメリカで、トランプへの大反撃が始まった。 皇帝気分で、アメリカも世界もひっかきまわすトランプ。 それに恐れをなす人々‥。 米民主党もそんな感じに思える。 その中で、 バーニー・サンダース、オカシオ・コルテスら、民主党左派が人々を勇気…

デジタル・デモクラシー⑭ デジタル立憲主義

監視資本主義への抵抗に対し、著者は2つ提起する。 一つは、集団行動と立法の力。デジタル世界に「公正」と「倫理」、「社会正義」を求める力。 米国で顔認証技術禁止条例を求める運動がある。プライバシー保護だけでなく、有色人種への差別への怒りが背景…

デジタル・デモクラシー⑬ スマートシティ

デジタル・デモクラシーのつづきです。 スマートシティ計画は、人口300万のカナダ・トロントで2017年に進められた。 光る敷石で舗装され、瞬時にデザインが変わる街路や、時間帯によって自動車走行のための道路に切り替わる歩道、ごみは地下のダストシュート…

ニューヨークのデモ参加者がトランプとの戦いに復帰

トランプの行動に抵抗する抗議行動が世界的に広がっている。 動画は、ニューヨークのデモ参加者。 様々な言葉をプラカードに書いて思いを伝えている。 やっぱデモや集会が世の中を動かすなぁ。 日本の変化なさは、ここに原因がある。 路上から社会と政治を変…

 デジタル・デモクラシー⑫ AI規制

デジタル・デモクラシーのつづきです。 「チャットGPT」「ディープ・シーク」など生成AIが話題になっている。私も使ってみたいと思っているが、ちょっとまだ‥」といったところ。 生成AIの問題点として、 ①著作権問題 *機械学習によって集められる大量…

デジタル・デモクラシー⑪ 問題コンテンツ削除労働

デジタル・デモクラシーのつづきです。 分業の発達は、生産力の向上をすすめた半面、弊害も少なくない。 生産の世界的な分業で、どこで、誰によって、どのように作られた製品か、経過を知らないことは、よいことなのか? 例えば、フィリピンの女性アレッサは…

オカシオ・コルテス、バーニー・サンダース

トランプの激しい動きに対し、動揺して戦意喪失の米民主党の中で、闘志満々なのがバーニー・サンダースとオカシオ・コルテスだ。 彼らの集会には、記録的なほどの人々が集まっているようだ。 怯まず声を上げること。 米国の民主主義、こうでなくては。 国が…

デジタル・デモクラシー⑩ デジタル農業ナラティブ

デジタル・デモクラシーのつづきです。 「デジタル農業は、効率的で環境的で持続可能かつ公平な農業・食料システムを構築し、持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献する」--世界銀は、次のように言う。 「新しい技術は、すべての人に恩恵をもたらします。農…

10年間でどれだけ減った? 新聞減少率ランキング

www.youtube.com 紙新聞が部数後退というのは知っていたけれど、全国紙、地方紙の部数減ランキングが出ると、やはり注目してします。 そして数%減から半分減まで差があるととなると、いろいろ考えざるを得ない。 「熊日」だって10年で28%の減、8万7…

デジタル・デモクラシー⑥ データブローカー

デジタル・デモクラシーのつづきです。 誰がどんな人物で何をしているか?(いたか)をつかむうえで重要な役割を果たすのがデータブローカーだ。 データーブローカーは、人々の情報(生データ)を収集・購入し、それを他の企業や組織など第3者に販売するこ…

デジタル・デモクラシー③ 広告費

庭のサクランボの花が咲き始め、ヒヨドリやメジロがやってきて、蜜を吸っている。 朝からコタツに入って、コーヒーを飲みながら、良い眺めです。 デジタル・デモクラシーのつづきです。 日本の総広告費とデジタル広告費の推移(表・同書:電通出展)は表のと…

デジタル・デモクラシー② ターゲティング広告

デジタル・デモクラシーの続きです。 1章の最後に、「私たちは既存の法律の枠組みにはまだ存在しない、『デジタル時代の人権』概念を創り、育てていく必要もある」。そのとおりだと思う。 デジタル人権、デジタル主権、デジタル・デモクラシー、デジタル立…

デジタル・デモクラシー① 生体認証

内田聖子著のデジタル・デモクラシーを読んだ。 ビッグテックがネットを通じていかにデータを蓄積し、監視し、支配を広げているか、わかりやすく書いてある。お勧めの本です。 一方で、それら監視資本主義への市民の闘いが世界で広がっていることも紹介して…

21Lessons ハラリ② テロと交通事故

. 歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの「21Lessons」の続きです。 途中、飽きてきて、飛ばしながらだが読んでしまった。 「ポスト・トゥルースの種」のところに、 「でっちあげの話を1000人の人が1ヵ月間信じたら、それはフェイクニュースだが、その話を10億…

21Lessons ハラリ① 権力者

歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの「21Lessons」を読んでいる。 「サピエンス全史で人類の過去を考察し、 「ホモ・デウス」で人類の未来を考察した。 この本では、人類の現在、21世紀を考察している。とか書いてある。 2019年の日本語版なので、17~18年に…

田中優子講演会

昨日、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会熊本」主催、会発足2周年記念の田中優子講演会があり参加しました。 会場の教会は満員も満員。 平和や歴史やジェンダー問題など、楽しい講演会でした。 牧師さんの話、良かった。 高校生平和大使の話も。 海北さ…

群衆心理-ル・ボン⑩ わかりやすさの罪と罰

群衆心理の続きで、最後です。 だれでも個人を抜け出し、群衆になれる。いや、なっているかもしれない。それっぽい群衆に。 これ、組織と個人の関係も同じような、近いような関係性があるかもしれない。 私の場合は、さまざまな組織所属しているが、個人とし…

群衆心理-ル・ボン⑨ ウソも100回いえば‥

群衆心理の続きです。 ル・ボンと同時代のマルクスは、労働をマニュアル化、単純化する分業が労働者の自立性を奪うとしているとした。 労働における「構想」と「実行」の分離で、何をどれだけ、どのように造るかは、資本家が決め、労働が労働者のものでなく…

群衆心理-ル・ボン⑦ トランプ

ついに。 とうとう。 トランプが米大統領に返り咲いた。 言いたい放題。やりたい放題。脅したり、吹っ掛けたり、バカにしたり。何よりも、数々の犯罪者でもある。 そんなトランプをよりによって2回も大統領に選ぶなんて、米国民もトランプレベルに成り下が…

「群衆心理」⑤わかりやすさの落とし穴

最近の若者は2時間ものの「長い」映画は、あまり見ないそうだ。 ネットとSNS世界は、単純さを求めている。言葉は短く、時間も短く。動画もショート。 イメージ、感じ、雰囲気、勢い、力強さなど。 ル・ボンは、「思想は、極めて単純な形式をおびたのちでな…

群衆心理-ル・ボン④ 暗示を受けやすい

「群衆心理」武田砂鉄さんの100分で名著(NKHテキスト)の続きです。 「群衆の中の個人は、もはや彼自身ではなく、自分の意思をもって自分を導く力のなくなった一箇の自動人形となる」―ですって、ル・ボンによれば。 そこまで言うか‥‥とい気にもなるが‥。…

群衆心理-ル・ボン③ 催眠術者と被術者

「群衆心理」武田砂鉄さんの100分で名著(NKHテキスト)の続きです。 ル・ボンによる群衆の定義は以下のとおり。「普通の意味で、群衆という言葉は、任意の個人の集合を指していて、その国籍や職業や性別のいかんを問わないし、また個人の集合する機会の…

群衆心理-ル・ボン② トランプ現象

「群衆心理」武田砂鉄さんの100分で名著(NKHテキスト)の続きです。 ギュスターヴ・ル・ボンが「群衆の心理」を書いたのは、1895年。マルクスが亡くなって12~3年あとの事。 ル・ボン紹介には、産業革命と市民革命によって近代化された社会を動か…

群衆心理-ル・ボン① SNS

昨今、人々に大きな影響を与え、認識が両極化しがちなネット、SNSの影響が世界的に大きな問題になっている。 その影響の一つとされるのが「エコーチェンバー」。 「エコーチェンバーとは、ソーシャルメディアを利用する際、自分と似た興味関心をもつユーザー…