歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの「21Lessons」を読んでいる。
「サピエンス全史で人類の過去を考察し、
「ホモ・デウス」で人類の未来を考察した。
この本では、人類の現在、21世紀を考察している。とか書いてある。
2019年の日本語版なので、17~18年に書いているのだろう。となると7~8年も前になる。
とりあえず今、読んでいるところを紹介したい。15章 無知 権力のブラックホール
ハラリは言う。
「巨大な権力は必ず真実を歪めてしまうから、なお悪い。権力とは、現実をありのままに見ることではなく、それを変えることだ。もしあなたが手に金槌を持っていれば、あらゆるものが釘のように見える。そして、巨大な権力を手中にしていれば、何もかもが干渉してくれと言っているように見える」
「巨大な権力は、周囲の空間そのものを歪めるブラックホールのような働きをする。それに近づけば近づくほど、すべてがねじ曲げられる。あなたが巨大な権力を持っていたら、あなたの軌道に入ったとたん、言葉一つひとつが特別に重くなり、目に入る人は誰もがあなたに、こびへつらったり、あなたの歓心を買ったり、あなたから何かを手に入れようとしたりする」
米トランプ大統領は今、そんな最絶頂にあるのだろう。
毎日毎日、極端な事ばかり言って、驚かせ、不安にさせ、次の何を?と恐怖に陥れる。
ハラリが言うように、トランプが真実にたどり着くことはない。
そして結果は、歴史に刻まれる。
だがその歴史は、あと何十年先まで刻むことができるのだろうか。
パリ協定の離脱、化石燃料経済、大量生産・廃棄社会は、生態系破壊しながら破局へと進み、どこかで歴史は止まる。
さて。トランプだって、わがままな、たった1人の独裁者にすぎない。
彼を独裁者にまつりあげたのは米国の主権者だ。ひっくり返すのも米国国民だ。中間選挙まで待たなくていい。
また、世界の人々が恐れなければ、トランプブラックホールに飲み込まれない。
真実の軌道から主張し抵抗すれば変えられる。だが時間はない。地球は待ってくれない。人間の関係ではない。自然の関係、人間的自然と自然のと関係だ。