サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

批判を忌避する「空気」

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 昨日のつづきです。
 なぜ若い人が内閣支持率が高く自民党の支持率が高いのか? の考察です。
 下の「朝日」-山腰修三慶大教授の投稿がとても示唆的だったので紹介します。
www.asahi.com
 日本でも諸外国でも権威主義的な政治への自発的服従が強まっている。こうした潮流を批判するアカデミズやジャーナリズムへの冷笑や敵意は、たとえフェイクであっても「信じたいものを信じる」につながっている。
 米国のトランプ現象を見ればよく分かる。言いたい放題、やりたい放題のトランプ大統領
 普段は選挙に行かない人が投票所に足を運んで、その約半分近くがトランプ大統領を支持した米国国民の現実。
 事実や真実よりも、自分が信じたいもの、トランプ語録を信じる現象だ。
ja.wikipedia.org
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 学術会議問題では、国民がそれほど深刻に受け止めていないのは、歴史を忘れたり、知らなかったり、知らされていないからだろう。しかしそればかりではないようだ。
 任命拒否は、「首相に任命権があるとあるから適切」という意見。
「学術会議の会員でなくても研究は自由にできるから、憲法の学問の自由には反しない」
「学術会議には10億円の予算が使われているのだから、政府は監督すべきだ」などがあるが、いずれも政権側が説明している内容をそのまま受け止めている。
 事実を確かめようとの考えはそもそも薄い。政権に忖度しているメディア情報も多く、ネットも自民党のチーム(T2)が組織的に操作しているものも多い。
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     しかし、
 山腰教授は「『改革』のレトリックの前では。『学問の自由が大切だ』『フェイクの氾濫は問題だ』『民主主義の危機である』という主張は必ずしも社会の圧倒的多数の支持を得られるわけではない」と解説する。
 そして学術会議問題を現政権の強権性や権威主義的傾向のみに還元してはならないとし、問題はレトリックを受け入れる空気にもあると強調する。根底はに、長い時間をかけた新自由主義的「改革」空気の醸成がある。
 山腰教授は、もう一つの『空気』として、「政府の決定を批判することへの忌避感だ」を指摘する。なるほど、 政権への批判を嫌がる傾向……。 若い人、なんで?
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 で、山腰教授が紹介しているのが-「強権に『いいね!』を押す若者たち」(玉川透編著)。
 いま買って読んでいますが、「ハァー」-ため息です。明日、紹介します。