サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

今日の収穫

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 今日の収穫です。
 ゴーヤもオクラはそろそろおしまいです。長く、食卓を支えてもらいました。
 ヘチマがですね、味噌汁に入れるぐらいしかないですが、驚くほど実をつけています。
 ヘチマは、スポンジタワシ用が7個程大きくなっていますが、食用に、小さい時に収穫するのが現在でも5~6個あります。肥料なしでもスゴイ成長力。
 私も、あーなりたい、
       が、が、がー
 

真理探究への政治介入に反対する-成長の家

 「朝日」に成長の家の意見広告がでた。
 学術会議会員の任命拒否の問題で「真理探究への政治介入に反対する」というタイトルだ。
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 書いてある内容も鋭い。「かつて宗教と政治が未分化の時代には、科学者が発見した心理が、宗教の教えと矛盾するという理由で、〝宗教政治”によって真理が歪められたという苦い歴史を人類は共有しています」という指摘は、宗教法人として、きわめて勇気ある態度と思える。
 宗教であれ、政治であれ、真理探究への介入には断固反対する確固とした立場は立派だ。他の宗教法人もつづいてほしい。
 時の権力者が屁理屈で法律を支配を破り、真理探究の学問の自由に介入することを許せば、物言えない社会へと、押し込まれていく。日本の戦前を思い起こせばすぐわかる。
 成長の家は70年代、右派の学生運動が盛んで、今日の「日本会議」など、極右・タカ派の源流となってきた。また、長く自民党の支持団体だった。
 しかしその後、成長の家は環境問題を重視したり、2016年からは自民、公明支持をやめている。
 これも同団体にとって、真理探究の結果だと思う。
https://www.jp.seicho-no-ie.org/news/20201014/

学術会議員任命拒否-菅首相の虚偽

 国会が開かれ各党の代表質問が行われ論戦が始まった。
 菅首相は、会員の地域分布、特定大学への集中など是正する観点から総合的、俯瞰的観点から判断したと、これまでと同じ答弁を繰り返した。
 だが、今日の「赤旗」報道のように、大西元会長は、女性比率や関東以外の大学の構成比が大きく前進している資料を示した。表の通りだ。
 菅首相は、肝心な日本学術会議法が定める「優れた研究又は業績がある科学者」との推薦基準を無視している。

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www.jcp.or.jp

人新世の資本論⑫ 脱成長コミュニズムの5つの柱

 差し迫っている気候・地球変動の危機を回避するには、「脱成長コミュニズム」の立場しかないと私も思う。
 しかし現実の推移は、化石燃料経済から、やっとグリーン・ニューディールの方向に進むかどうかの攻防の状態。日本社会も国民の意識も、まだまだ化石燃料経済からすら抜け出せていない。
 実際的には、資本主義のまま、矛盾を転化・蓄積しながらすすむのだろう。資本主義・先進国があまりにも時間を無駄にし過ぎてしまったから。
 とはいえ、斉藤氏が提起する「脱成長コミュニズム」の5つの柱を、グリーン資本主義社会に対置し、資本主義の転換を迫りながらの持続可能な社会へと急ぐことは極めて大事と思う。
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「脱成長コミュニズム」①-使用価値経済への転換
  使用価値に重きを置いた経済に転換して、大量生産・大量消費から脱却すること。現在の社会は、なんでもかんでも商品として生産され、お金を通じて手にいれる社会。必要かどうかよりも、売って価値を増殖する資本のための経済社会になっている。
 そのため広告があふれ、私たちは朝から晩まで、年がら年中、欲望を刺激される。商品は過剰包装され、使うことよりも買う事へと、偽りの満足感を与えられ短期間に使い捨てる。食品ロスがその典型。
 しかし、そんな商品を買うために家族との時間も失いながら、長時間のストレスのともなう労働へと追い立てられる。しかも環境への負荷が取り返しがつかないほど大きい。
f:id:adayasu:20201015095328j:plain 生産を、人々が使うことを目的に、「使用価値」の生産に改める。
 私が最近感じているのが家庭菜園。自分が耕し、種をまき、あるいは苗をもらって育て、収穫して、カミさんが料理して食べる。今年は知り合いからもらったヘチマが想像以上の生育している。若い実が食べられると聞いて、カミさんもヘチマ料理に挑戦し、食べ、ささやかな使用価値生産、使用の幸福を味わっている。
「脱成長コミュニズム」②-労働時間の短縮
 世の中、使い捨ての生産に、生態系破壊の資源獲得も含め、相当な労働時間を費やしている。コンビニやファミレスを深夜まで開けておく必要はない。医療や介護関係など、必要以外の深夜労働はやめたほうがいい。
 不必要のないものを作ることをやめれば、社会の総労働時間は大幅に減らせる。その減った労働時間、増えた余暇で家族とのんびり暮らし、芸術やスポーツなどを楽しめば、そっちのほうがはるかに幸福と思う。GDPでなく、QOL=生活の質の向上を目指す。このほうが地球にもやさしい。
「脱成長コミュニズム」③-画一的な分業の廃止
 画一的な分業をやめ、労働の創造性を回復させる。資本主義の下での分業体制は、画一的で単調な作業が多い。労働を魅力的なものにするため多種多様な労働に従事できる生産現場の設計が望ましい。労働の目的が大量生産・大量消費ではないので、急ぐこともないし、追われるノルマ労働もない。
 マルクスの言葉によれば、「労働そのものが第一の生命欲求」となるようなイメージ。理想論かもしれないが私も、野菜づくり以外に、パンク修理、自転車やバイクの修理、木工などをやったりするが、完成した時はとてもうれしくて自己実現感にひたる。
「脱成長コミュニズム」④-生産過程の民主化
 生産のプロセスの民主化を進めて、経済を減速させる。労働者たちが生産における意思決定権を握る。「社会的所有」によって、生産手段を(コモン)として民主的に管理する。技術、エネルギー、原料も民主的決定によって扱われる。知的財産権やネットのプラットホームも社会的な所有となり民主的な管理・運営に任される。意思決定に時間はかかるが、急ぐ必要は全くない。
「脱成長コミュニズム」⑤-エッセンシャル・ワークの重視
 使用価値経済に転換し、労働集約型の医療や介護、保育や教育などエッセンシャル・ワークを重視する。人とかかわる労働は単純な分業ではない。個別具体的な仕事なので時間的な余裕さえあれば、自分の能力を相手のために直接生かせるやりがいのある労働だ。ケア労働。
 以上、斉藤氏の提起でした。
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 晩期マルクスに光を当てた斉藤幸平氏の「人新世の資本論」の書き込みも、ひとまずここで区切りをつけたいと思う。
 長い文章のブログは読まれない-- わかっています…。
  では、また。

菅首相「温室効果ガス50年ゼロ」表明

 今日の各紙は1面トップで、菅総理所信表明演説で2050年に温室効果排出(実質)ゼロ宣言を掲載した。本気なら大変喜ばしいこと、具体的な実行計画の策定とその実現を強く促したい。
f:id:adayasu:20201027183807j:plain これまで自民党政権の温暖化対策目標は極めて消極的で、環境団体や国連から強い批判を浴びていた。
 それは、2030年の温室効果ガス排出量を、それまで一番排出量の高かった2013年をあえて基準にし、26.0%削減する。2050年までには80%を削減し、今世紀後半の早い時期に脱炭素社会を実現するというものだった。
 排出ゼロのに向けては、次世代技術の実用化に向けた研究開発行うこと(間に合うのか?)。規制改革などでグリーン投資を促進し、国と地方で検討すすめる場をつくることにした。
 再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めるとし、世界的に批判の強い石炭火力については政策転換すると。
 しかし現在の「エネルギー基本計画」では、2030年の電源構成で、LNG火力発電は27%、石炭火発は26%、再生可能エネルギーは22~24%、原発は20~22%、石油火発は3%と見込んでいたので、本気がどうか?
  まっ、疑わしくても、実行を迫るしかない。
 最初のステップは、9年後の2030年に、最低でも45%削減(本来なら91年比)を実現する実行性のある計画を示すことが大事だ。そのことをパリ協定で求められている削減目標とし公表し、国連に報告する。
 その実行を菅自公政権に迫ろう。
 もうひとつ懸念は、原発推進だ。東電の柏崎刈羽原発をはじめ、温暖化対策を口実に原発を動かそうとしている。福島原発事故を、もう忘れたのか?と言いたい。それに原発は高コストとなっており経済的に行き詰まる。
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 ここでより問題なのは、主権者・国民の認識だ。
 30年45%削減、50年ゼロを政府に求めるべき国民的な世論がほとんど盛り上がっていない。
 本来なら政権に国民が温室効果削減を強く求める運動があって、政治がそれを取り込んでいくのが民主主義の本来の姿だ。
 残念ながら遅れているのは国民の側。
 この国民の意識が変わらないなら、菅政権は、これまでどおり「やっているフリ」を振りまくだろう。
 国民はそれを真に受けて、自分もやっているつもりになる……。これが一番おそろしい。
 そのつけは、未来の子どもたちと生物種に回される。
 

菅首相「温室効果ガス50年ゼロ」表明

f:id:adayasu:20201027183807j:plain 今日の各紙は1面トップで、菅総理所信表明演説で2050年に温室効果排出(実質)ゼロ宣言を掲載した。本気なら大変喜ばしいこと、具体的な実行計画の策定とその実現を強く促したい。
 これまで自民党政権の温暖化対策目標は極めて消極的で、環境団体や国連でも批判を浴びていた。
 それは、2030年の温室効果ガス排出量を、それまで一番排出量の大会2013年をあえて基準にして26.0%削減する。2050年までには80%を削減し今世紀後半の早い時期に脱炭素社会を実現するということだった。
 排出ゼロのに向けては、次世代技術の実用化に向けた研究開発行うこと。規制改革などでグリーン投資を促進し、国と地方で検討すすめる場をつくることにした。
再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めるとした。世界的に批判の強い石炭火力については政策転換すると。
 しかし現在の「エネルギー基本計画」では、2030年の電源構成で、LNG火力発電は27%、石炭火発は26%、再生可能エネルギーは22~24%、原発は20~22%、石油火発は3%と見込んでいたので、本気がどうか?  まっ、疑わしくても、実行を迫るしかない。
 最初のステップは、9年後に最低でも45%削減(本来なら91年比)を実現する実行性のある計画を示すことが大事だ。そのことをパリ協定で求められている削減目標とし公表し、国連に報告することだ。
 そのことの実行を菅自公政権に迫ろう。
 もうひとつ懸念は、原発推進だ。東電の柏崎刈羽原発をはじめ、温暖化対策を口実に原発を動かそうとしている。福島原発事故を、もう忘れたのか?と言いたい。それに原発は高コストとなっており経済的に行き詰まる。
.
 ここでより問題なのは、主権者・国民の認識だ。
 30年45%削減、50年ゼロを政府に求めるべき国民的な世論がほとんど盛り上がっていない。
 本来なら政権に国民が温室効果削減を強く求める運動があって、政治がそれを取り込んでいくのが民主主義の本来の姿だ。残念ながら遅れているのは国民の側。
 この国民の意識が変わらないなら、菅政権は、これまでどおり「やっているフリ」を振りまくだろう。国民はそれを真に受けて、自分もやっているつもりになる……。これが一番おそろしい。
 そのつけは、未来の子どもたちと生物種に回される。
 

人新世の資本論⑪ ザスーリチ宛ての手紙

 斉藤幸平氏の「人新世の資本論」のつづきです。まー、学習ノートと思って書いています。
f:id:adayasu:20201004184328j:plain:right 晩期マルクスの変化のきっかけと表すものとして、ロシアの活動家から寄せられた手紙があるそうです。その疑問を発したザスーリチに、マルクスが返答した「ザスーリチ宛ての手紙」。
 ザスーリチは、マルクスの著作がヨーロッパ中心の革命論であることから、資本主義の段階を経なければロシアは社会主義にいけないのかをたずねている。
 マルクスは、資本論の歴史的分析は、「西ヨーロッパに限定されている」とのいうような返事を書いている。それはなんと3回も書き直しているようで、その考察をみれば変化が読み取れるようだ。
 「共産党宣言」のロシア語版の第2版序文で「もし、ロシア革命が西欧のプロレタリア革命にたいする合図となって、両者がたがいに補いあうならば、現在のロシアにおける土地の共同所有(ミール)はコミュニズム的発展の出発点となることができる」と。
 この捉え方は、現在の革命運動についても示唆的な面を持っていると思う。
 高度に発達した資本主義(経済成長至上主義の持続不可能社会)からだけの革命でだけでなく、持続可能な社会的平等な様々な共同体的からも社会主義的の変革の道があるということ…。
 斉藤氏が紹介する「手紙」の草稿で「西ヨーロッパにおいても、合衆国においても[資本主義は]労働者大衆とも科学とも、またこの制度の生み出す生産力そのものとも闘争状態にあり、一言で言えば、危機のうちにある」---の意味は、より一層の生産力の発展が必要という解釈ではなく技術によって自然を服従させ、人間を自然的制約から解放する生産力至上主義が失敗している「科学」をさす、エコロジーの思想とする。
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 資本論の「地代論」のなかで「土地--共同の永遠の所有としての、交替する人間諸世代の連鎖の譲ことのできない生存および再生産の条件としての土地--の自覚的、合理的な取り扱いの代わりに、[資本主義のもとでは]地力の搾取と浪費が現れる」
 手紙のなかで「[資本主義の]危機は、資本主義制度の消滅によって終結し、また近代社会が、最も原古的な類型のより高次の形態である集団的な生産および領有へと復帰することによって終結するであろう」 つまり、「資本主義を最大限推し進めた、その先にコミュニズムが存在するわけではなく、古い協同体的なうちに近代社会が復帰させねばならない要素があるということ。
 このあたりは、キューバを思いおこさせる。のどかで、都市農業を行い、医療も充実しているキューバ
adayasu.hatenablog.com
 一党独裁問題はあるが、そこを解決すれば、小さなのんびりした国は、経済封鎖のため、自給自足・自立経済の環境負荷の少ない持続可能な社会の気がする。
 日本は先進国として、民主主義国として進んでいる国と自負しているが、格差と貧困、自然破壊の開発、過剰労働、家族との時間を奪われる、幸福感が極端に少ない社会となっている。
 過剰な生産、過剰な消費、過剰な廃棄、過剰な地球環境負荷、過剰な情報、過剰な労働、乏しい時間、乏しい幸福感、乏しい希望、、
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 しかし「懐かしの未来」へ、希望は持っている。 
adayasu.hatenablog.com
 
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 でもグレタは希望は語るなと言っている。希望より、行動せよ!と。行動すれば、希望を開けると。

核兵器禁止条約、発効へ

news.yahoo.co.jp
 核兵器を全面禁止する国際条約が発効に必要な50に達し、来年の1月22日に発効する。
 思えば若い頃から、核兵器の全面禁止の運動をし、署名なども広げてきた立場からすると、時間はかかったが一歩進んだと、感慨深いものがある。
 核保有国はその特権を維持するために批准しないが、やがて国際的な世論に押されて批准する国が増え、おいつめらえることになるだろう。核保有国の国民の認識を変えるために、大事なステップとなる。
 各国において最大の脅威は気候変動であり、人類共通の脅威も、後もどりのできない地球環境の激変だ。
 脅威を見誤っているとしかいえない。
 

芋ほり-使用価値

 今日は夕方、知り合いの家族が訪れて芋ほりを開始。
 雑に適当に植えた芋でしたが、まっ、そこそこできていました。
 子どもたりち、掘りたて、焼き立てのカライモを美味しいといって食べていました。
  使用価値のための労働。
 自分で掘ったイモを自分で焼いて食べる。人類の大半が行ってきた即時的で純粋な労働。
 タネイモを植えて、見守った人間の労働としては使用価値の労働として、知り合いの家族が食べてくれてうれしい限り。
f:id:adayasu:20201024171442j:plainf:id:adayasu:20201024173150j:plainf:id:adayasu:20201024191940j:plain
 商品生産のための労働。交換価値の労働。育てて、食べて、おいしい有用な使用価値の労働。
 庭では、いろいろと感じる、考える。
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 そうだ、忘れていた。イモに感謝しなきゃ。自然にありがとう。

サスティナブル

 今週の「赤旗」日曜版です。
 SDGs17目標へ。
 ともかく市民が変わり、政府に求め、社会のシステムと自身も変える。
 でも、生活に忙しく、過剰な情報にさらされる毎日、特に日本は、、
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 困難でも、希望は必要。希望のための事実認識が必要。

菅政権-25050年-温室効果ガスゼロ宣言?

 ニュース(朝日)によれば、26にから始まる臨時国会菅義偉首相は、温室効果ガスの実質排出ゼロの宣言を行うらしい。
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 エッ  ホントに?
 それが本当ならば、すごい! 大したもの、と称賛を送りたい。
 ホントなら。
 確かに、EUが法整備を含めいち早く表明しているし、世界最大の排出国の習近平の中国だって2060年までに実質ゼロを表明しているので、世界の大きな流れだから。
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 ここで心配なのは、「単なる表明」に過ぎないのでは?という疑念だ。
 石炭火発は新設するし、再エネには消極的で、開発はあちこちですすめ、原発依存を強めているし、現実を見ると信用できないンだよなー。
 経産省の古い経済モデル・成功体験から抜け出せないでいるし・・・。やってるふりばかりだし…。
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 でも問題は政府ではない。私の最大の懸念は、主権者国民の意識の問題です。
 諸外国のように、2030年までに50%削減2050年までに排出ゼロ、それほど多数の国民が叫んでいるのか?
 主権者国民が政府を動かしているのか?という根本問題です。上からではダメ、下からでないと。
 どう、運動と世論を高めていけばいいのか。う~ん。
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 でも、せっかく菅政権が2050年排出ゼロを国会で表明するなら、懸念は懸念としつつ、その実行を迫ろう。実効性をチェックしながら、問題点をただし、実行させよう。
 そのためにも、世論と運動…
 

人新世の資本論⑩ 人工的希少性

 「人新世の資本論」のつづきです。
 斉藤幸平氏マルクスの「本源的蓄積」についても面白い解説をしていて、ナルホドです。
 f:id:adayasu:20200916124950j:plain:w150:leftマルクスは『本源的蓄積』を単なる資本主義の『前史』としてとらえているわけではけっしてない。マルクスが指摘しているのは、モンズの解体による人工的希少性の創造こそが『本源的蓄積』の真髄であるという点である。資本主義の発展を通じて継続し、拡張する、本質的過程として『本源的蓄積』を見ている」とする。
 産業革命時代、農地の囲い込みを行って、農民から土地を奪い強制的に賃労働者を作り出した資本の蓄積を『本源的蓄積』と、私は習ったと思うので、この「希少性の創造」という視点はなかなか面白い。
 現在の社会の中で、むかしタダだった水はペットボトルとして、遠く外国からも運ばれてきて有料で売られている。土地も大都会はべらぼーに高い。しかも、投機目的で買って値上がりを待つばかりで住んでいない場合も多い。空き部屋は、あちこちにあるのに、その近くの橋の下や公園ではホームレスの人たちが寒さに震えながら住んでいる。一つの社会として、とてもおかしな現象だ。
 斉藤氏、「コモンズとは、万人にとっての『使用価値』である。万人にとって有用で、必要なだからこそ、共同体はコモンズの独占的所有を禁止し、協同的な富として管理してきた。商品化されず、したがって価格をつけることもできなかった。コモンズは人々にとって無償で、潤沢だった」
 「人工的に希少性を作り出すことができれば、市場はなんにでも価格をつけることができる」「希少性の増大が商品としての『価値』を増やすのである」
 「気候変動は水、耕作地、住居などの希少性を生み出す。希少性が増えれば、その分だけ、需要が供給を上回り、それが資本にとっては大きな利潤をあげる機会を提供する」
 そのため、気候を工学的に操作しようとするジオ・エンジニアリングなどへの資本の投資が向かい、根本的解決に至らず地球のシステムを混乱に陥らせ、さらに矛盾を拡大していくことになると警告する。
 人工的希少性として、「負債」によって引き起こされる貨幣の希少性の増大も指摘する。「無限の欲望をかきたてる資本主義のもとでの消費の過程で、人々は豊かになるどころか、借金を背負うのである。そして、負債を背負う事ことで、人々は従順な労働者として、資本主義の駒として仕えることを強制される」。その例として住宅ローンをあげる。教育関係のローンもそうだろう。
 ローンを払うために、長時間労働を強いられ、家族と食事をしたり、子どもとゆっくり過ごす時間もない人も多い。
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