サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

現代マルクス主義を考える

「ドーナツ経済」⑨

「ドーナツ経済」をやっと読み終えた。 読んだ文庫本は昨年7月の出版なのだが、もともとは2017年に刊行され、すぐに訳本も出ている。 もっと早くに読んでおくべきだった。時間おいて、もう一回読むことにしよう。 7章は、成長にこだわらない-- という章 ケ…

「ドーナツ経済」⑧ニュートン株で大損

ドーナツ経済--先日のニュートンのつづきです。 1720年、「南海会社」(南米の植民地との貿易の独占権を与えられていた英国の会社)の事業が成功を収めたという間違ったうわさをきっかけに、株価が急激に上がり始めた。 すでにその株式をいくらか保有してい…

加藤登紀子と斎藤幸平対談

加藤登紀子さんと斎藤幸平さんの対談動画がとてもおもしろかった。 ぜひご視聴下さい。 . www.youtube.com . 加藤さんの話、はじめて聞く内容も多かった。かなり学び、知っている。 「紅の豚」の歌、「さくらんぼの実る頃」がパリコミューンと関係していたん…

「ドーナツ経済」⑦ニュートンとリンゴの成長

ドーナツ経済のつづきです。 ケイト氏、「システムに精通する」の章でニュートンを登場させている。 1666年、若き科学者だっがニュートンは、母親の家の庭に座っていたとき、木からリンゴが落ちるのを見て驚いた。 リンゴは、なぜいつも、横や上でなく、下に…

「ドーナツ経済」⑥「つつき、ネットワーク」

ドーナツ経済のつづきです。 ケイト氏、「21世紀の経済学者は、~、社会や環境に関する調整を真っ先に市場にゆだねようとするのではなく、社会の中でどういうダイナミックな相互関係が成り立っているか問うことから始めるべきだ」とし、「つつき、ネットワ…

「ドーナツ経済」⑤市場とマッチ---取扱いに注意せよ」

ドーナツ経済のつづきです。 忙しかったせいもあり、前回からかなり間が空きました。 それまで良い題材があって、折り目も付けていたけど忘れてしまった。 久しぶりに読み始めたところ、「市場とマッチ---取扱いに注意せよ」を紹介したい。 人々の行動の行動…

「なぜ今、あえてマルクスなのか?」斉藤幸平×角田陽一郎対談

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「なぜ今、あえてマルクスなのか?」斉藤幸平×角田陽一郎対談

「なぜ今、あえてマルクスなのか?」斉藤幸平×角田陽一郎の対談が面白かった。 斎藤幸平さんがマルクスに接近した若い頃のきっかけ、今の資本主義社会の問題、格差や環境問題を解決するために、マルクスの考えに学ぼうとしていること、わかりやすかった。 テ…

投資家が陥る資本主義の幻想--斎藤幸平

テレ東--「なぜ私たちは喜んで資本主義の奴隷となるのか?」 www.mof.go.jp.www.youtube.com

「ドーナツ経済」④動的均衡

24日までのページがなぜか消えてしまい困っています。復活させたいのでHatena さんに問い合わせ中です。 . ケイト・ラワース「ドーナツ経済」のつづきです。 これまで、現在も成長は良いこととされ、人々は無限の成長に向けて、自分の自由な時間を減らしてあ…

「ドーナツ経済」③組み込み型経済

. . ケイト・ラワース「ドーナツ経済」のつづきです。 . . 経済を単に、企業と家計、労働者と資本、財、サービス、消費などの流れでなく、家計を重視している組み込み型経済として、こんな図を書いている。 経済の中心の一つに家計をおき、商品としては反映…

「ドーナツ経済」②

ケイト・ラワース「ドーナツ経済」を読みながら、紹介していきます。 ドーナツと言ってもお菓子のドーナツではありません。 外側の円の外側が地球の限界を表し、内側の円と外側の間で人々の充足を確保する社会・経済を意味します。 今の社会は地球環境を破壊…

マルクスの「生産力」概念 論争①

地球限界時代とマルクスの「生産力」概念--聴涛弘著を読み終えた。 「経済」元編集長の友寄英隆氏と日本共産党の元政策委員長の聴涛弘氏の「生産力」概念をめぐる論争だ。 専門的で難しく理解不十分だけど、現状での思いを書いておきたい。 聴涛氏は、高齢の…

民主主義ってどこがいいの?-「人々に力を」②

昨日の続きです。 民主主義って、政治の体制、仕組みって思っていたけど、違うみたい。デモクラシーは、人民や民衆を意味するデーモスと、力をや支配を意味するクラトスが結びついたものだそうだ。 ジョン・レノン の – パワー・トゥー・ザ・ピープル(Power…

民主主義ってどこがいいの?-宇野重規

www.youtube.com 上記の動画を見た関係で、「民主主義」について考えさせられ、この本を買って読んでいます。 日本の民主主義、特に議員内閣制の代議制民主主義が機能不全に陥っている問題をどうすべきか考えています。 それと斎藤幸平氏の本から知った、E…

日本共産党100年、私47年

私は日本共産党員。 共産党に入ったのは、高校卒業して10ヵ月ほど働き、19才になってひと月たった頃だった。 高校3年の時に、青年組織の民青同盟に入って、少しばかり世の中の仕組みをかじっていた。 とは言え、19才になったばかり、今考えるとちょっ…

斎藤幸平への批判論考

斎藤幸平著『大洪水の前に』と『人新世の「資本論」』によせて 太田仁樹岡山大名誉教授論文を読んだ。なるほど。 斎藤幸平氏に対する批判なかで、今まで私が目にした中で一番紳士的で、賛同する点は賛同し、批判は批判する丁寧で説得力ある内容だった。 太田…

宇沢弘文-地球温暖化を考える

宇沢弘文と言えば、「社会的共通資本」で有名、対立的な新自由主義、シカゴ大学でM・フリー―ドマンと対立した学者。 その人が「地球温暖化を考える」--こんな本を書いていたとは知らなかった。しかも出版は1995年、そのころに誰か、私に勧めてくれれば一生懸…

柄谷行人さんに聞く

今日、「柄谷行人さんに聞く」ウェビナーがあり講演を聞きました。途中からだったし、高齢になられた柄谷さんの話は聞きずらかったけど、勉強になりました。 柄谷さんは、311原発デモの時の集会で、「デモで社会は変わる、デモができる社会になるから」と…

斎藤幸平「人新世の資本論」批判--西野勉氏

斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書(2020年9月)におけるマルクス利用・援用の問題性 ――「脱成長コミュニズム」主張のための我田引水解釈・捏造・虚言・妄言について―― . 上記、西野勉高知大名誉教授による斎藤幸平氏の批判論文を見つけ、勉強中です…

環境と成長 両立できる?

今日の「朝日」です。たいへん良い議論企画ですね。 . グリーン・ニューディール(GN)で環境対策と経済成長をめざす。世界の流れです。 しかし、「それでは脱炭素は間に合わない」と「脱成長」を主張する斎藤幸平氏。 「脱成長をいう前に、やるべきことがあ…

「人新世」と唯物史観

新聞広告に出ていた「人新世と唯物史観」。著者は友寄英隆氏(本の泉社)。 広告紹介には、「人類の活動が地球環境を壊す新たな地質年代として提起された『人新世』をめぐり、生産力の発展にストップをかけるべきという議論は、唯物史観と相いれないと批判」…

世界フェア・トレードデー2022熊本

世界フェアトレードデー2022熊本の主催で、文化人類学者・辻信一さんの講演会があり、夕方から行ってきました。 辻さんと言えば10年前に、翻訳された「懐かしい未来」を読んで持続可能な社会について思いをめぐらしたものだ。 来るべき未来、つくるべき未来…

経済と環境 両立の道は-グリーン成長は幻想か?

www.asahi.com . 上記、「朝日」(5/14)の記事は、とてもおもしろかった。引用し紹介する。 最初に、セブン&アイの話が出てくる。 成長著しく、全国に2万1000の店があり、グループ全体の電力消費は日本全体の0.5%を占め、CO2排出の95%が電力由来だそうだ。…

「2084年報告書」 地球温暖化の口述記録

「2084年報告書」 地球温暖化の口述記録(ジェームズ・ローレンス・パウエル著-国書刊行会)を読んています。 これは、おもしろい構成になっていいます。 今から62年後、私の孫らが今の私の齢ぐらいになった2084年に、科学者や政治家などに口述してもらった…

資本論の中の未来社会論②

昨日の続きです。 原子力問題(P88)については違和感があります。 現状の原発は危険性やコストの観点から廃止の立場ですが、いつの日か「安全の保障された新たな方法で人類が核エネルギーを利用できる時代にも到達できるでしょう」とし、「科学的研究に取り…

資本論の中の未来社会論①

不破哲三さんの「資本論の中の未来社会論」を読んだ。 前に部分的には読んでいたけど、今回、あらためて読んでみた。 さすがにマルクスとエンゲルスを読み込んでいる不破さんらしく、マルクスの著作や手紙のどこに何が書いてあるか理解していて、未来社会論…

脱成長-ヨルゴス・カリス

どこの新聞だったか「資本主義の先に」の特集があり、バルセロナ自大学のヨルゴス・カリス教授のインタビューがあった。面白かったので紹介する。 経済成長、GDPが大きくなることが豊かになる方法?。 このGDP信仰からの決別。 「あなたが自分の弁護士と…

マルクスの『生産力』概念③

聴涛弘氏の「マルクスの『生産力』概念を捉えなおす」のつづきです。 史的唯物論について、「エンゲルスの忠告」というのを聴涛氏が紹介していて面白い。 「『われわれの史観は、なによりもまず研究にさいしての手引き』であって『歴史全体が新たに研究され…

マルクスの『生産力』概念②

聴涛弘氏の「マルクスの『生産力』概念を捉えなおす」のつづきです。 生産力については、日本語訳の誤りもあるようだし、スターリンの「弁証法的唯物論と史的唯物論」で、社会発展の力は「物質的財貨の生産方法」とし、その推進力を生産力としてきた影響もあ…