サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「人新世」を否決-国際地質科学連合

 今日の「朝日」です。
 国際地質科学連合は、現代を「人新世」とする新たな地質年代の提案を大差で否決したそうだ。(18人中、反対12、賛成4、棄権2)
 素人ながら、残念な思いです。
 現在は、ヨーロッパや北米大陸を覆っていた巨大氷河が後退し始めた1万7000年前ごろから始まった「完新世」と呼ばれる温暖にある。
 地質科学連合の論点は、人類が地質学上の影響を与えたのはいつからか?という点で、農耕以来か、産業革命以来か、放射性物質やプラスチックなどの蓄積以来か、など意見が分かれているからだという。また、人新が「世」と定義づけるには、まだ議論が必要でもあるようだ。
 ただ、人類が地球を改変している証拠は、明白で明らかになるばかり。
「地質学的に、どこで区切るかは別として、私たちは人新世にいるのは事実。そのことに即して行動することが、進みべき唯一の道だ」と古生代微生物学者のフランシーン氏は述べる。
 私もそう思う。始まりは大いに議論し、研究し、定義づけすればいい。
 しかし当初の提唱者パウル・クルッツェンが言ったように、「人新世」の真っただ中にいるのは間違いない。
 それは学問の地質学範囲より広い、政治や社会、生態系、地球に関わる事だ。
 その世界的、社会的、人類的認識が遅れれば遅れるほど、今の「人新世」時代は早く進み、この時代は早く終わるだろう。
 人類が地球への負荷を減らし、プラネタリーバウンダリーの範囲内に、人類活動を合理的に制御できれば、「人新世」は長く持続できるだろう。
 今、ギリギリのところだろう。手遅れかもしれない。
 行動変化を起こすほどの認識の変化は起きていない感じだだから。
 今の大人は、戦争と物質的豊かさ=自然破壊に溺れてしまっている。