サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

資本主義と危機‐知識人からの警告②

 「資本主義と危機」-世界の知識人からの警告の警告(岩波)の続きです。
 2章は、アクセル・ホネットで「資本主義、批判、社会的自由」
 3章は、ナンシー・フレイザーで「資本主義、聞き、批判を再考する」
 4章は、イマニュエル・ウォーラースティンで「資本主義、構造的危機、現代社会運動」
 だったが、いずれも知らない学者ばかりで、内容もほとんど理解できなかった。
 5章は、ジョン・べラミン・フォスターで「自然の回帰は何をもたらすか」で聞き手は斎藤幸平。
 ここを読むために、この本を買ったようなもの‥。
 近著の「自然の回帰」は、まだ翻訳本が出ていないが出れば読んで見たい。
 フォスターは、マルクスの理論を「物質代謝の亀裂」に集約する。
 資本の蓄積過程が、人間と自然との社会的物質代謝に亀裂をもたらしている--格差や貧困、植民地的収奪と地球環境・自然破壊と一体として。
 「物質代謝の亀裂理論は、マルクスによる『自然の普遍的物質代謝』、『社会的物質代謝』、『社会的物質代謝の相互依存的な過程に生じる修復不可能な亀裂』と呼ぶものを弁証法に接続するもの、~商品生産内部における使用価値(自然的形態)と交換価値(価値形態)の区別を含むマルクスの価値論に、密接に関連づけられる」と理解されるとする。
 地球環境問題の根本原因には、自然をも収奪する資本の自己増殖システム・資本主義があり、膨大な物質の生産と消費、廃棄ため自然循環が攪乱され、元に戻内状態に至っている事をさす。
 資本主義は改善すれば、地球環境を解決するという見解もあり、実際にその方向で世界は進んでいる。
 しかしフォスターは、つまりグリーン資本主義はありえないと主張する。
 実際に、様々な技術開発で解決策が言われるが、全く温室効果ガスの削減は進まず、技術のための資源開発で、生態系破壊が進む一方だ。