. 歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの「21Lessons」の続きです。
途中、飽きてきて、飛ばしながらだが読んでしまった。
「ポスト・トゥルースの種」のところに、
「でっちあげの話を1000人の人が1ヵ月間信じたら、それはフェイクニュースだが、その話を10億人が1000年間信じたら、それは宗教で、信者の感情を害さないために、それを『フェイクニュース』と呼ばないように諭される」とある。なるほど。
テロのところも「なるほど」だった。
テロリストはマインドコントロールの達人だそうだ。
911テロ以来、毎年テロリストが殺害する人は、EUで約50人、アメリカで約10人、中国で約7人、全世界で最大2万5000人だそうだ。
それに対し、
交通事故で毎年、亡くなる人は、ヨーロッパで約8万人、アメリカで約4万人、中国で27万人、全世界で125万人にのぼる。
糖尿病と高血糖値のせいで毎年最大350万人が亡くなり、大気汚染でおよそ700万人が死亡する。
「私たちは砂糖よりもテロを恐れ、政府は慢性的な大気汚染ではなく、散発的なテロ攻撃のせいで選挙に負けるのか?」と、ハラリ。
イスラエルでは2002年、パレスチナ人のテロが頻発し、バスやレストランが爆破され、死者は1年間に452人にのぼった。
同じ年、542人が交通事故で亡くなっている。
テロはわすかな人しか殺さないが、何十億人もの人に恐怖を抱かせ、政治・社会を揺るがす。きわめて非対称だ。
ハラリは書いていないが、同じ残忍な死、テロの被害者と戦争の被害者も、これまた数は大きな非対称だ。いずれも民間人が犠牲になる。
テロは貧者の戦争行為であるが、圧倒的強者に勝つことはできない。
双方に、差異はあっても犠牲者が出つづける。したがって戦争もテロもやめさせることだ。
今もつづくイスラエルのガザ破壊と虐殺。直接的には、ハマスの攻撃や殺害や誘拐が引き起こした。
そも前にイスラエルの抑圧や殺害があったとしても。現在のような悲惨な結果を予想し、攻撃は避けるべきだった。
トランプの再選で、ガザの人たちにさらに悪い状況が現出する。
国際社会は冷たい。憎しみの連鎖はつづく。