監視資本主義への抵抗に対し、著者は2つ提起する。
一つは、集団行動と立法の力。デジタル世界に「公正」と「倫理」、「社会正義」を求める力。
米国で顔認証技術禁止条例を求める運動がある。プライバシー保護だけでなく、有色人種への差別への怒りが背景にある。
アマゾンの倉庫で働く労働者の組合結成、中国など強権的な国でも、権力の目をかいくぎりながら連携抵抗を進めている。
二つ目に、「自前の技術」という可能性もある。
三つ目に。
グーグルでない検索エンジン「ダックダックゴー」、ZOOM以外のウェブ会議システム「ジッチミート」などがあり、監視されず、利用者データの第三者提供もなく、セキュリティも高く、オープンソースで無料という特徴を持つ。
2022年米国で、グーグルとアマゾンの従業員数百人がデモを行った。
グーグル、アマゾンがイスラエル政府とクラウド技術、AI サービス、顔認証技術などの契約を12億ドルで結んだ。
これらの技術でイスラエル軍は、パレスチナ人監視を行うと研究者・技術者が反対の声を上げた。
「プロジェクト・ニンブス」
https://forbesjapan.com/articles/detail/50306
イスラエル軍のガザ進攻、ヨルダン川西岸のパレスチナ人の監視に、実際に使われている可能性は高い。
技術は強いものが持ち、弱いものに強い力を行使する。監視資本主義、デジタル資本主義。
歴史は、じかんがかかったが大資本を規制し、労働者の権利を獲得し、消費者を保護するルールを作ってきた。
行動、闘いこそだ。忘れてならないのは、気候危機に際した今、時間のほとんど残されていないということだ。
記事と写真は関係ありません。花は、実がつかないアケビです。