サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「資本主義の次に来る世界」⑤指数関数的成長

「資本主義の次に来る世界」のつづきです。
 投資家が成長を追い求める。著者は、価値増殖を求める資本の運動から、「人間が必要」とする事より利益にこだわると指摘する。
 更に言えば利益よりも利益率に、どれだけ成長するか、成長率を追い求めているという。だから資本主義は、経済成長それ自身が目的になっていると。
 現在、経済成長は年率3%程度で、あまり大きくないような気がする。当然、物質の改変、移動、エネルギー消費が大きくなる。

 著者が紹介する古代インドの数学者の話は有名だ。
 王は、彼の業績を称え、「何でも欲しいものを言いなさい。それを授けよう」と言った。
 数学者は、「王様、わたしは控えめな人間です。わずかばかりの米を頂ければと存じます」。彼はチェス盤を取り出すと、「1つ目のマスに米を1粒置き、2つ目に2粒、3つ目に4粒と、いうように、最後のマスに行き着くまで、米粒を倍々に増やしてください。それだけの米をいただければ十分でございます」と言った。
 チェス盤の1列目が終わる時、米は200粒より少なく、1食分にも満たなかった。しかし、まだ半分しか来ていない32マス目で、必要な米粒は20億を超え、王国は破産した。最後の64マス目では、1800万兆に達し、インド全土を厚さ1メートルで覆いつくすほどの量になる。

 今、世界が進めている年率3%の成長率は、23年で2倍になるスピードだ。人生の半分を過ぎるころには、生まれた頃の4倍に増える。膨大な物質の改変、エネルギー消費が必要となる。とてもとてもこんな事は続かない。なのに人々は、気づかない。すでに地球の限界を超えつつあるのに