「資本主義の次に来る世界」のつづきです。
成長神話と一体的にあるのがテクノロジー神話です。
技術が人々を幸福にし、気候危機問題も解決する‥‥ それほど単純でもないようです。
BSCCS→大気から、あるいはバイオマス発電でCO₂を回収し、地下に貯留する技術。
温室効果ガス削減目標には「実質」という言葉があり、CO₂を排出しながらも、技術の力で大気からCO₂を回収し、相殺する事です。
良い発想、優れた技術のように思えます。またが、果たして?
だが成長をひた走るなら、いくら再エネを増やそうにも土地が足りなくない。
IPCCのモデルはBSCCSを組み込んだため、各国の削減目標は緩やかになってしまった。それですら達成不可能の状態ですが。
そもそも、排出をしながら、回収する、というのもおかしな話で、そんなことなら最初から出さなければよい。
まず、エネルギー的にペイしそうにない。
また、膨大なバイオ燃料のプランテーションが必要になり、自然負荷が大きい。
さらに、例のバイオ燃料騒動と同じで、食料生産、水資源とも競合する。
時間的にも、ティッピングポイントに間に合わない。
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そもそも技術開発と普及が経済成長に従属している間は、地球と生態系に負荷をかける。それが歴史の事実だ。