「資本主義の次に来る世界」のつづきです。
最近、デカップリングが有名になってきている。
経済成長は進めながら、それと切り離して温室効果ガス排出量を減らす。
北欧諸国など、そういった面が見られる。先進国が目指しているグリーン成長。
確かに、再エネを増やし、EVなどにシフトしていけば一国では可能になっている。
しかし、マテリアル・フットプリントで計算すれば富裕国のの資源消費量は減っていない。(図:環境省)
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グローバル・サウスなど、他の国々に環境負荷をアウトソーシングしているから。
その国の輸入先も含め、生産や消費、エネルギー消費、廃棄の全過程でみれば、相当なものだ。
世銀の調査では、サービス業がGDPに占める割合は、1997年の63%から2015年には69%へと増加した。
物質生産中心でなくても、世界の資源消費は増加している。観光業も空港や港、道路、ホテル、テーマパークなどのインフラ整備には膨大な資源が必要だ。
取りやすい資源は取りつくされつつあるので、より深く掘り進めている。
国連環境計画によれば、1世紀前に比べて、現在では同じ量の金属を得るためには3倍以上の鉱石を採取しなければならなくなったそうだ。
ドイツの研究者ニカ・ディトリッピらの発表では(2012)年率2~3%という現在の経済成長が続いたら世界の資源消費がどうなるか調べた。2050年までに2000億トン以上が必要で、安全ラインの4倍を超える事に‥。
経済成長を追い求める限り、それがグリーンだろうが、ブラックだろうが、地球への負荷は、減らせないということだ。