高い経済成長が良いとされるのが今の社会。
3%以上の経済成長は当たり前という国も多いし、そう考えている国民も多い。
しかし、わずか年3%と思える成長率さえ、指数関数的な成長となり、その意味を考えてみる必要がある。
3%なら24年ごとに倍になる。さらに24年で4倍に… 。
生産と流通と消費と廃棄がこのペースが拡大してきたのが資本主義化の経済だ。その分、自然、生態系、地球への環境負荷も大きくなり、地球の限界をとうの昔に超えてしまっている。
そして、その限界が破れて本格化した時には、もはや手遅れという状態になる。
しかも、これほどモノがあふれる経済成長をしていても、家族ともゆっくり過ごせる時間も少なく、時間と競争に追われる生活をしている。人々はとても幸福とは思えない。
「なぜ、脱成長なのか」から、成長を追いかける心理を紹介すると、
「自分が何を買い、他人は何を買ったか(買っていないか)という視点で、自分の価値やステイタスを表明することに慣れていく」
「服であれ、家であれ、車であれ、あるいは医療措置であれ、立派なものを手に入れていると周囲が認識するものを、手にいれなければ尊敬の目を向けてもらえない世界で、何とか自己肯定感を保つためには、比較ありきの消費行動に頼るしかない」
「不安や不足がいっそう消費欲求を高め。心理的な負担も増大させる。富める者も貧しい者も、期待を満たすために、互いを蹴落とすために、ひたすらスピードを上げて走り続けるので、経済は加速し、時間に追われる切迫感と疲労をふくらませていく」
個人主義の社会と、都会の環境においては…ということです。資本主義社会の本質に根差している。

- 作者:ヨルゴス・カリス,スーザン・ポールソン,ジャコモ・ダリサ,フェデリコ・デマリア
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