サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

熊本空港に米軍機着陸 過去最多69回 

 20日夜、対潜哨戒ヘリ2機が夜間の訓練中に接触事故を起こしたらしく墜落、1人死亡7人不明となっている。
 昨年も八師団長ら乗ったヘリ、米空軍オスプレイが墜落するなど、事故が多発している。多くは原因も不明のまま、また説明も極めて不十分なまま、飛行再開をしていいて不安がよぎる。
 昨日の「熊日」「赤旗」では、民間空港への米軍機の着陸が急増、昨年は全国で最多、453回にも及んでいる。
 九州・沖縄方面が多く、熊本空港は69回だそうだ。
 台湾をめぐり中国の封じ込め戦略をとる米軍が民間空港を頻繁に利用すれば、有事の際は相手国の攻撃目標となる。
 また政府は、各地の民間の空港や港を「特定利用空港・港湾」と指定し、日常的に軍事利用できるとしている。
 熊本空港は、県が大空港構想として、豊肥線から鉄道を延伸しようとしたり開発を進め、人を集めている。
 一方で米軍、陸自オスプレイも盛んに利用する事態で、危険と開発は隣合わせだ。同じ自民党がやっていること。
 いつか米軍機か、自衛隊機の事故が起こり民間人にも犠牲が出るのではないかと心配だ。
 自民党政府は、安全保障環境の悪化を軍拡の理由にするが、相手国だって安全保障環境の悪化を理由に軍拡を進めるだろう。
 ジャパンハンドラーの米国は、財政を理由に日本に負担を求め、兵器を買ってもらう。

オッペンハイマー

 映画オッペンハイマーを観てきた。
 アカデミーを受賞したとかだが、良くわからない内容だった。
 原爆の構造や製造過程などは、だいたい知っているのでわかったが、音がうるさすぎて、効果音もきつくて。
 赤狩り問題がこれほどとは思わなかった。
 核軍拡競争の懸念を持ったオッペンハイマーは理解する。
 でも、おそらく核廃絶や世界平和推進に貢献する映画ではないだろう。
 悩むオッペンハイマーは、物語としては良いかもしれないが、苦慮する科学者が核軍拡競争にストップをかけられるとは思わない。せいぜい、権力者や軍に利用されるが落ちで、ずっと繰り返している。
 ぞうなら、広島・長崎以後の核軍拡競争の危険な実際、しかし今のところ、核爆発戦争は起こしていない理由など問う方が興味深く意味あると思う。
 なんせ、世界一番戦争好きで戦争する米国の映画で、自国の市民が爆撃されたり地上戦をたたかったり、戦争で焼け焦げた体験もない国で、そんな発想文化はないように思える。
 西部開拓時代から、侵略を旨としてきた国家で、それを正当化してきた歴史の国だ。西部劇が象徴的だ。
 ベトナム戦争ほか、米国に真の平和のための戦争映画は作れない。侵略者の米国が侵略するなかで兵士の犠牲を悲しむ程度だ。
 だから米国は戦争を続ける。本国戦争は避ける前提で。
 なので、オッペンハイマーの映画もいいが、原爆開発に携わりながら、投下に反対したレオ・シラード、警告なしの投下に反対したジェームズ・フランクなどの映画を作ったらどうか。
 その方が、過ちに向き合い、過ちを繰り返さないで済む。
 世界は核兵器であふれている。歴史から学びきれない。

 核戦争が起きたら、誰の責任か?
 故意でなく、偶発が重なって、事故で、核ミサイルが飛び交ったら誰の責任か?

ja.wikipedia.org
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adayasu.hatenablog.com

世界気候ストライキ-2024

 昨日は、「世界気候ストライキ」だったが、私は何もできなくて残念。期日もあまり認識していなかった。
 「赤旗」1面記事では、ヨーロッパで「未来を取り戻そう」とイタリアのローマ、スウェーデン、ドイツ、スペイン、フィンランドなどでもデモが行われたことを紹介している。
 デモのプラカートには、「科学を信用しないなら、なぜ学校で科学を教えるの?」などもあった。

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 アメリカでもニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどでデモが行われ、「若者は化石燃料のために投票したのではない」と、バイデン政権化石燃料の使用を終わらせるよう求めた。
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 他の新聞、テレビでは、世界の動きを報道をみてない。
それどころか、こんな記事も配信されている。さすが夕刊フジ。産業新聞。
 昨年の気温の観測は嘘なのか?ハワイなどの森林火災や各地の豪雨、海氷・氷河の縮小、海面上昇の観測もデタラメなのか?証拠を示して記事書け、載せろ。
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news.yahoo.co.jp

「アメリカは日本を守らない」⑨「捨て石」へ主権放棄

 「アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--のつづき、最後です。
 北村氏は第二次大戦後の島しょ攻防戦を表にまとめておられる。
 多くは、島しょぼ防衛側が失敗し、攻撃側が成功している。
 日本も、大戦初期の島しょ攻撃時には成功し、防衛側が失敗、逆に大戦後半、日本が守る場合は失敗となっている。
 この結果からは、とうしょ防衛の困難さがうかがえる。
 ただ、相手側に膨大な犠牲を強いる事は可能で、攻める側は、膨大な兵力と物量がないと最終的な成功もおぼつかないだろう。
  
 そこで、米軍海兵隊が行おうとしている「海兵沿岸連隊」について、上記の結果などから見て、成功的なのか?内部では議論も起きているようだ。
 遠征前進基地作戦だが、相手国のミサイルなどの射程距離内に入り込んで戦うため相当な犠牲を伴う可能性がある。
 相手側にとっては、敵が懐に入ってくるような脅威だから当然、相応の準備をし、対処をすることになる。
 米国の陸軍、海兵隊も日本などの島しょに移動式の地上発射ミサイルを配備し、あるいは島々を移動しながら中国側を攻撃する作戦だ。
 中国は重大な脅威として対処するし、戦場となる島しょ、また中国や台湾など相手国の戦闘地域も、民間人も重大な被害を受ける事になる。
 もちろん米国民は、安全だ。まちがっても、米国はそんな作戦はしない。
 中国との戦闘になったとしても、域内にとどめ、米本土に及ぶようなことは絶対にしない。
 その可能性があった場合、早々に撤収してしまえばいい。彼らにしてみれば、日本は捨て石なので。利用価値がなくなったらポイだ。
  ウクライナ戦争を続けるロシアのように、中国が戦争で疲弊してくれたところで、「手打ち」し、停戦に持ち込む。米国の覇権国の地位は譲らずに済む。
 日本‥‥? 米国の国益が優先する。常識だ。
 米国は建国来、先住民の虐殺と追い出しや他国侵略戦争を繰り返してはいるが、本国を戦場にしたことはない。
 米国国民の戦場体験はなく「正義」のための兵士の犠牲に悲しみと誇りが入り混じるだけだ。。
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 岸田首相が訪米し、バイデンと会談、米軍と自衛隊は一体化し、指揮権を米側に渡す約束をした。これまでも指揮権密約があったが、今回それを公然化し、主権者国民も無理解のまま受け入れた格好だ。
 日本には、本来の民族主義がない。あるのは大日本帝国の郷愁、アジア人蔑視で、矛盾も感じないで対米従属にいそしんでいる。
 日本は、先の大戦で歴史上はじめて戦場と占領を体験し、「大和魂」の誇りも捨てさり、見事に占領を受け入れて支配を内面化している。
 希望は、アセアン諸国の動き。中国にも、米側にも、対等、等距離を保とうとしている。
 南シナ海を囲む国々のその努力がある限り、台湾めぐる米中戦争はないだろう。最大の当事者となる台湾は、独立志向は強めず、最大限戦争は避けるだろうし、バシー海峡という大事な位置にあるフィリピンも同じだろう。
 中国だって、武力による統一をし、双方に多大な犠牲が出て失敗すれば、習近平政権の破綻に繋がり安易な事はできない。
 戦場当事者になる日本の自民党政権だけが、前のめりで、自ら「捨て石」になろうとしている。
 主要メディアも同様だ。
 主権者は、事態を認識せず、主体的にならず、主権を放棄しようとしている。

 ともあれ、この本はいろいろを学びになりました。全面的ではありませんがお勧めです。

「アメリカは日本を守らない」⑧重武装永世中立防衛

アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--のつづきです。
 北村氏は、日本の防衛戦略を、米軍従属から、「重武装永世中立国」へと移行することを主張する。
 そのため、海洋国家防衛原則を適用し、自国の領域と自国の海上交易の保護のため、それに危害を加えようとする外敵は、海洋上で撃退し、自国領域には一歩たりとも侵入させないようにする。
 そのため、①後方制海域、②基幹制海域、③前方政管域を確保するため、主要戦力も表のように提起する。
 表には、永世中立国として、中立義務の装備、海洋防衛のための装備と分けている。
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 今の陸自保有している戦車や機動戦闘車など、地上戦を前提とする装備はない。
 したがって日本・海兵隊のような米海兵隊を一緒になった他国侵攻もできるような部隊は不要になる。
 日本で地上戦を行うような想定はないので、写真のように自走榴弾砲(203mm)の演習は必要なくなる。米軍が日本で行うのは、イラク戦争など、他国を攻撃するためだ。(写真:陸自HPより)
 ウクライナのような戦争では、日本げはありえない。

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 例えば、台湾危機の場合、近い与那国が中国の影響下になることも米国の影響になることも拒否し、それを実行できる防衛力、それ以上の外交力。さらに根本的な力として、関係国住民のアピール力と行動がこそが重要と思う。

「アメリカは日本を守らない」⑦常備災害救援隊

アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--のつづきです。
 永世中立国となるには、自国を守るための防衛力が必要な事はスイスなどの例から分かっていた。
 しかし周辺の紛争国に、領土・領海を一切使用させるべきでなく、それを拒絶するための防衛力も必要だとする認識はあまりなかった。
 北村氏は、海洋重視の専門家らしく、日本において陸上自衛隊の兵力15万人は多すぎると指摘する。確かに、大陸国と違い、他国と領土を接せず、海に囲まれた日本で陸上戦闘はあまり考えられない。
 相手国の攻撃を受けやすい危険な海を、兵員、兵器、物資を輸送するには膨大な艦船が必要で、そんな能力や経験を持つ国は米国以外にない。
 そこで北村氏は、海自と空自の増強は望むが、陸自兵力は効率化を図りながら現在の半分程度、8万人ほどで足りるとする。そして陸自は、主に防空ミサイル、地対艦ミサイルなどを強化すべきだと。中国すら、陸軍を大幅に削減して、海洋戦力に振り向けたからと。
 そこで北村氏は、余剰7万人の陸自隊員を6万人程度、常備災害救援隊に改変することを提案する。(写真:ウィキ)
 陸自は、発足以来1度も戦闘経験がない。これは良い事だ。だが大規模自然災害には、数年に1回程度は、投入され経験も豊富だ。国民からも期待されている。
 日常的に実戦的訓練を行い、実戦を体験し、その戦闘の心構えができている米海兵隊などに比べ、自衛隊は、一度の実戦経験もない。殺さず、殺されてもいない。
 だが災害救援の経験は豊富で、対応も早い。ならば、常備災害救援隊への移行には私も賛成する。
 その際、その救助隊は防衛省ではなく、防災相のような行政機関が直轄する。
 日本は災害大国で、毎年のような台風や豪雨による洪水、繰り返し起こる地震津波が起こる。国民の人命、財産を守る事がはるかに必要で現実的に求められている。気候危機・災害はますます激しくなる。
 日本から、あるいは米国の手下となって、他国の戦争に進まない限り、他国から海に囲まれた日本を攻めてくる可能性は極めて低い。

「アメリカは日本を守らない」⑥永世中立は武装不可欠

アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--のつづきです。
  第2章「日米同盟離脱と重武装永世中立主義」---著者の北村氏は、200近くある国で永世中立国は、少ないのか多いのか?19ヵ国(2024)とする。中立国も苦労が多い‥‥。
 中立が踏みにじられた過去の例を私は、ほとんど知らなかった。
 第一次大戦で、ドイツがイギリスとフランスと戦争することになった時、永世中立国だったベルギーやルクセンブルグが双方の緩衝地帯にあったため、ドイツに占領されてしまった。ドイツのこれらの国の占領目的は、フランス・イギリスへの軍事進攻の前進拠点にするためだった。
 オランダも永世中立国だったが、ベルギーよりも自衛戦力が強く、ドイツに好感を持ちイギリスへの感情が悪かったため、ドイツからの進行は受けず中立を保持できた。
 しかし第二次大戦では、フランス攻撃、イギリス攻撃の前進拠点として、中立国のベルギー、オランダ、ルクセンブルグは、ナチスドイツにより占領された。
 第一次大戦では、中立を維持できたスカンジナビア3国も、第二次大戦では、中立を維持できなかった国もある。
 スウェーデンから鉄鉱石を輸入していたドイツは、ノルウェーの港などがイギリス側の手に落ちると輸入に影響が出る事は避けたかった。
 1940年4月、ドイツ軍はノルウェーデンマークを奇襲し、占領。ノルウェー国王は、亡命政府を樹立するため、隣国のスウェーデンに向かったが、スウェーデンは中立を守るため亡命を受け入れなかった。国王は、イギリスに亡命政府を樹立したが、最終的にノルウェーは、ドイツ軍の支配下となった。
 スウェーデンは、ヒトラーの要求を受け入れながらも、表面上は中立義務を破らずに進めた。その背景には、スウェーデンが60万の陸軍、潜水艦を含む海軍を増強し、ドイツの侵攻に対抗できるようにしていたという事だ。
 つまり中立国には、自国を守る防衛力がどうしても必要だという事がわかる。あるいは他国の戦争に協力しないための力が必要となる。実際に歴史は、そのように進んできた。
 現在でも、スウェーデン軍事産業、軍事力はかなり高い。しかしロシアのウクライナ侵略を期に、スウェーデンも中立国をやめNATOに加盟する事になった。(写真ウィキ:スウェーデンの国産戦闘機-サーブ 39 グリペン
 こういった流れを、どう考えればいいのだろうか?