サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「アメリカは日本を守らない」⑥永世中立は武装不可欠

アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--のつづきです。
  第2章「日米同盟離脱と重武装永世中立主義」---著者の北村氏は、200近くある国で永世中立国は、少ないのか多いのか?19ヵ国(2024)とする。中立国も苦労が多い‥‥。
 中立が踏みにじられた過去の例を私は、ほとんど知らなかった。
 第一次大戦で、ドイツがイギリスとフランスと戦争することになった時、永世中立国だったベルギーやルクセンブルグが双方の緩衝地帯にあったため、ドイツに占領されてしまった。ドイツのこれらの国の占領目的は、フランス・イギリスへの軍事進攻の前進拠点にするためだった。
 オランダも永世中立国だったが、ベルギーよりも自衛戦力が強く、ドイツに好感を持ちイギリスへの感情が悪かったため、ドイツからの進行は受けず中立を保持できた。
 しかし第二次大戦では、フランス攻撃、イギリス攻撃の前進拠点として、中立国のベルギー、オランダ、ルクセンブルグは、ナチスドイツにより占領された。
 第一次大戦では、中立を維持できたスカンジナビア3国も、第二次大戦では、中立を維持できなかった国もある。
 スウェーデンから鉄鉱石を輸入していたドイツは、ノルウェーの港などがイギリス側の手に落ちると輸入に影響が出る事は避けたかった。
 1940年4月、ドイツ軍はノルウェーデンマークを奇襲し、占領。ノルウェー国王は、亡命政府を樹立するため、隣国のスウェーデンに向かったが、スウェーデンは中立を守るため亡命を受け入れなかった。国王は、イギリスに亡命政府を樹立したが、最終的にノルウェーは、ドイツ軍の支配下となった。
 スウェーデンは、ヒトラーの要求を受け入れながらも、表面上は中立義務を破らずに進めた。その背景には、スウェーデンが60万の陸軍、潜水艦を含む海軍を増強し、ドイツの侵攻に対抗できるようにしていたという事だ。
 つまり中立国には、自国を守る防衛力がどうしても必要だという事がわかる。あるいは他国の戦争に協力しないための力が必要となる。実際に歴史は、そのように進んできた。
 現在でも、スウェーデン軍事産業、軍事力はかなり高い。しかしロシアのウクライナ侵略を期に、スウェーデンも中立国をやめNATOに加盟する事になった。(写真ウィキ:スウェーデンの国産戦闘機-サーブ 39 グリペン
 こういった流れを、どう考えればいいのだろうか?