サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「アメリカは日本を守らない」⑦常備災害救援隊

アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--のつづきです。
 永世中立国となるには、自国を守るための防衛力が必要な事はスイスなどの例から分かっていた。
 しかし周辺の紛争国に、領土・領海を一切使用させるべきでなく、それを拒絶するための防衛力も必要だとする認識はあまりなかった。
 北村氏は、海洋重視の専門家らしく、日本において陸上自衛隊の兵力15万人は多すぎると指摘する。確かに、大陸国と違い、他国と領土を接せず、海に囲まれた日本で陸上戦闘はあまり考えられない。
 相手国の攻撃を受けやすい危険な海を、兵員、兵器、物資を輸送するには膨大な艦船が必要で、そんな能力や経験を持つ国は米国以外にない。
 そこで北村氏は、海自と空自の増強は望むが、陸自兵力は効率化を図りながら現在の半分程度、8万人ほどで足りるとする。そして陸自は、主に防空ミサイル、地対艦ミサイルなどを強化すべきだと。中国すら、陸軍を大幅に削減して、海洋戦力に振り向けたからと。
 そこで北村氏は、余剰7万人の陸自隊員を6万人程度、常備災害救援隊に改変することを提案する。(写真:ウィキ)
 陸自は、発足以来1度も戦闘経験がない。これは良い事だ。だが大規模自然災害には、数年に1回程度は、投入され経験も豊富だ。国民からも期待されている。
 日常的に実戦的訓練を行い、実戦を体験し、その戦闘の心構えができている米海兵隊などに比べ、自衛隊は、一度の実戦経験もない。殺さず、殺されてもいない。
 だが災害救援の経験は豊富で、対応も早い。ならば、常備災害救援隊への移行には私も賛成する。
 その際、その救助隊は防衛省ではなく、防災相のような行政機関が直轄する。
 日本は災害大国で、毎年のような台風や豪雨による洪水、繰り返し起こる地震津波が起こる。国民の人命、財産を守る事がはるかに必要で現実的に求められている。気候危機・災害はますます激しくなる。
 日本から、あるいは米国の手下となって、他国の戦争に進まない限り、他国から海に囲まれた日本を攻めてくる可能性は極めて低い。