サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

 日中国交正常化⑤ 台湾海峡危機

 日中国交正常化のつづきです。

 また栗山氏は、
「我々からしますとね、平和的手段でなければならないのは、実は言うまでもなく当然のことだと思っているわけです。というのは、中国の表向きの法律論は、台湾は中国の一部なのだから、台湾に対する武力行使は、国際法上の戦争ではなくというものです。(中略)
 だけども、国際的にそういう中国の主張が成り立つかというと、それは多分成り立たないだろうということは、これまた中国は認識しているわけです。しかし、『そうは言っても‥‥』というのが中国の最後の立場でしたから、例えば台湾が『独立する』と言った場合に中国がどうするのかは分からない。分からないから、そんなことは止めてくれってアメリカは言うし、日本も言い続けなければならないということです」

 なるほど、この解決策はいいですね。あくまでも平和解決をめざす。
 と思える。
 一方、中国側の解釈や理屈は、また違うかもしれない。
 ま、しかし、栗山氏も含め日本政府・外務省は、日米安保派でアメリカの手のひらの上の人たち。
 要は、日本はアメリカの軍事・外交戦略の範囲内で動きますということだろう。
 基本は日米安保にあり、
 第六条は、日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するためアメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」とある。
 極東は台湾も含んでおり、その場合は米軍は日本から出撃して日本を戦争に巻き込むつもりで、日本はそれに追随するつもり。
 李登輝氏が総統選挙で勝ち台湾独立の動きと思える懸念があり軍事演習を行った中国に対し、米軍は日本から空母を派遣して脅しをかけて中国を引っ込めさせた。(写真;李登輝総統-ウィキ)
 力がなく、悔しかった中国が二度とそんなことはさせないと決意し、軍事力を強めたのも当然だろう。
 それでアメリカに追いつけ、追い越せとなった。
 戦争好きなアメリカは、中東などでイラク戦争など繰り返し、武力介入、戦争にかまけた。
 その間、中国は着実に国力を強め、海洋進出、軍事力を強めていった。
 一方アメリカの目には、経済力、技術力、軍事力で躍進著しい中国の追随が、世界の覇権国アメリカへの挑戦と映っているのだろう。
 その為に中国の国力を削ぐ必要性を感じており、そのトリップワイヤーとし台湾を位置づけ、日本を巻き込んでその目的を果たそうとするかもしれない。

 そんな中で、トランプよりも前のめりの高市首相の存立危機事態発言は、平和への逆行の道だ。 
 中国への武力介入の意思の表明に先行し、能力でも力を見せつけようとしている。
 その準備は、敵基地攻撃ミサイルの配備、日米共同訓練で大々的にすすめている。
 貧乏国になりさがりつつある日本、その主権者国民がこれを支持するなど、とんでもないこと。

 いずれにしても、平和解決しかない。
 現状のままが一番いい。
 中国にとっても。台湾、日本にとっても。アメリカにとっても。

 また、台湾の実行支配の影響は大きい。76年もたつ。