日中国交正常化のつづきです。
高市発言以来、台湾の帰属問題が焦点になっている。国交正常化への日中共同声明。ただこの「正常化」と言うのもなんの意味か分からず、ごまかしがある。端的に言えば戦後処理だ。
日中政府がこの文として合意に至るには大きな山場もあり、失敗する可能性もあった。
特に三。文言について、言語も違えばそれぞれの解釈も微妙に違うし、当時の双方の立場と今の立場にも大きな違いがあり、ぶつかる項目でもある。
三、中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
いろいろ学ぶ中で「十分理解し、尊重し」について、条約上では「承認」ではないといする解説について、フムフムと納得していた。
で、実際の交渉でも、中国側は「十分理解し、尊重し」だけでは納得せず決裂する可能性があった。
そこで腹案が出された。「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」だそうだ。最初これ、どんな意味があるのかわからなかった。
ポツダム宣言第八項は、「カイロ宣言の条項は履行され、日本国の主権は本州、北海道、九州、四国及び吾等の決定する諸小島に局限される」とあり、カイロ宣言は、蒋介石とチャーチルとルーズベルトが戦後の対日政策として宣言したもの。
これで中国側の周恩来は、納得したようだが、どんな思い?解釈をしたのはわからない。
この腹案を考えたのが栗山尚一条約局長。そしてこう語っている。
「十分理解し、尊重する」というのは、法律的には何の意味もない文句なのです。(中略)
台湾が『独立したい』と言い出したときに日本はどうするかについても、『十分理解し、尊重する』では、なんのコミットメントがないわけですね。だからこそ私は、中国は呑まないだろうと思ったわけです。これは色付けをる必要があると思って、その色の付け方をどうするのかということで、考えたのが『ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する』です。この意味は何かというと、カイロ宣伝で台湾は中華民国に返還されるべしという意味での「一つの中国」というのに日本はコミットしますよ、ということが、『ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する』ことの意味です。(中略)
日本が台湾独立を支持しないことについて一札取ったということで、周恩来は、これで手を打とうと納得した。(中略)
そういう意味で、台湾が中国に返還されることに日本はコミットした。(中略)
ただし、その裏で、中国側が非常に不満であったけれども理解したことは、台湾が1972年9月29日の時点で中国に返還されていないと日本は考えているということです。(中略)
ニクソンは上海コミュニケでアクノレッジ(認識?)と言っただけで、レコグナイズ(承認)したわけではないという立場ですから、日本はそこから先には行けないわけですね」
著者の解説では、日本は台湾の独立を支持しないことを意味し、台湾は共同宣言時点で中国に返還されていないので台湾が中国の一部との考えも受けれていなかったとする。そして中国の統一を目的とする台湾への武力行使は認めていないと、。
