サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

脱成長 ②エコロジカルフットプリント

 明日香壽川著の「グリーン・ニューディール」に、斎藤幸平さんの「人新世の資本論」をかなり評価しつつ、しかし6点にわたり批判をしていて面白い。
 2人、どこかで対談して議論してくれないかなーと思う。
 それとの関連で「脱成長」論」は、議論の大事なポイントと思う。
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 「脱成長」論のおおもとに、地球の限界をなにより重視する考えがある。
セルジュ・ラトーシュ著の「脱成長」から前回に続き、引用、紹介する。
 地球上の利用可能な全地表面積は、約510億ヘクタール。そのうち生物生産空間、人間が再生産に利用できる空間は約120億ヘクタールだそうだ。
 現在の世界の人口で割ると、利用可能な生物生産空間は一人当たり1.8ヘクタール(サッカーグラウンド2つ分)。
 環境負荷の指標、いわゆるエコロジカル・フット・プリントのことです。
 ガソリン1リットルを燃やすたために排出されるCO2を吸収するための森林は、年間に5㎡が必要だそうだ。
 人間の生産・消費から出る廃棄物を自然が吸収するために必要な地表、しかし人間だけではない。他の生物にも当然、土地も水も、生態系が必要だ。そして豊かな生態系がなければ、人間も生きていけない。
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 そして環境負荷で大事な事は、この環境負荷に大きな格差があることだ。
 平均で、米国市民の生活には、9グローバルヘクタール、ヨーロッパ人は4~6グローバルヘクタールのが必要だ。日本は4.4Gヘクタール(03年)で小さくはない。
 自然資源の利用は、米国人で約90トン、世界中の人々が米国人と同じ生活をすると地球は6個必要になる。
 そして米国内でも環境負荷の格差があり、途上国と先進国、その内部でも格差がああり、富裕層・大企業が大半の環境負荷の責任を負っている。
 しかしその責任とは裏腹に、災害の犠牲を被りやすいのは、環境不可の小さい途上国に人たちだ。
ここに資本主義の大量生産・消費・廃棄社会の重大な問題がある・
adayasu.hatenablog.com
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 ほかにも、マテリアル・フットプリント。カーボン・フットプリントなど指標もある。
 環境負荷は、CO2だけではない。