レジリエンスの時代のつづきです。
地球の水圏--海洋、湖、川、地下水、氷、霧や雲。
人類は19万年以上、水を共有資源としてきた。
1万年ほど前に農耕が始まるが、川の近くで水の争いが起きたが水資源は共有されていた。
80億人超え、なお増え続ける人類は、これから水の争いが重大になっていく。
海洋は長く、自由に漁業や航海ができてた海洋コモンズだった。領有権を主張し始めたのは比較的新しい。
第二次大戦後、米国は自国の大陸棚の海底の資源を領有を主張。多くの国が60年代後半には、12マイル(19㎞)までの沿岸水域の領有権を主張し、1982年に国連は海洋法の条約を採択し、陸から12海里(22㎞)を領海とし、200海里(370㎞)を排他的経済水域とした。
本来、海は世界の共有財産のはずだが、沿岸国家は大陸棚沿いの漁場の90%、海底の石油や天然ガスの鉱床87%を含む広大な特典を与えられた。
この結果、全海底の57%が各国の排他的利用のために囲い込まれてしまった。
淡水の私物化、商品化も進んでいる。
WTOは、水を取引可能な商品と宣言、「商品」「サービス」、そして「投資」に分類した。その結果、水道事業の民営化が進んだ。
水関連のグローバル企業10社が市場を支配し、上位3社は100ヵ国以上に事業を展開、政府の補助金を受け、水サービスの質を落とすこともいとわず、高額料金で莫大な利益を得ている。
2020年、ボトル入り飲料水の販売量は3910億リットルになり、3000億ドルの収益をあげているという。
これら多くは、水の商品化、私的所有に由来する。本来、水は地球上の生き物の共有財産なのに、人間だけが(特に一部の)勝手放題にふるまい、水圏もメチャクチャにしようとしている。