サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

尖閣諸島問題−漁民の立場

 NHK、年末・年始、けっこう頑張っていると思います。と言っても籾井会長らがではなく、おそらく番組スタッフが、それぞれに苦労しながら踏ん張っているように感じます。
 年末に見た番組、菅原文太が環境、平和への思いを語りました。沖縄での集会で挨拶した、「政府がやるべき2つの事」シーンも映しだされました。わたし自民党が介入するかもしれないと心配しました。
 大晦日紅白歌合戦。すでに話題になっているけどサザンの歌、ノリも歌詞もなかなかです。

 昨日、関口さんの番組では、韓国、中国で活躍している日本人を訪ね、その回りの韓国人や中国人をとおして、韓国、中国を知り、そのことで日本を知る、ような企画で、好感もてました。
 民間交流、個人交流の大切さを教えてくれています。国家の視点と、国家への主権者・地域・民間の視点を区別して認識、これ大事と思います。
 

波よ鎮まれ (尖閣への視座)

波よ鎮まれ (尖閣への視座)

 「波よ鎮まれ」−尖閣への視座(沖縄タイムス)から少し紹介します。
 中国、日本の政府、そしてその時々の政権指導者の立場は、横に置いておいて、民間に光をあてて見ましょう。
 この本には、台湾の漁業関係者のインタビュー記事が載っています。その中の一人、張金波・宣蘭県近海漁業協会理事長さん。

 1960年代まで、尖閣諸島(台湾名-釣魚台)には毎年出漁していて、サバがいくらでも釣れたとという。沖縄の漁船も来ていて、海域はお互いの「生活圏」だった。沖縄の人から漁法やサンゴ取りの技術も教わったそうだ。
 1969年、国連アジア極東経済委員会が尖閣海域に石油資源の可能性があるとの発表、70年の琉球政府が「領土権声明」を出し、台湾、中国も領有権を主張するようになった。 
 張さんは政府に対し、「主権を訴えるつもりはない。ただこれまでのように、いっしょに魚を獲りたいだけだ」と訴えた事もあるそうだ。
 尖閣問題が大きくこじれた2013年、「日台漁業協定」が結ばれた。これは沖縄と台湾の地理的中間線よりも沖縄側に食い込み、台湾が求めてきた「暫定執法線」より広い水域での台湾漁船の漁を認めている。
 当然、沖縄漁民の反発は大きいが、安倍首相は、台湾と中国を切り離し、日本と台湾の共闘を狙った対応と言えるようだ。
 張さんが言う−「管理は日本といっしょにするほうがいい。台湾の漁民だけでは乱獲してしまうだろうから」。これは見識あることと思う。日本においても乱獲の可能性はある。
 人間同士の争いは、話あいによる解決が大事だ。そして場合によってはより深刻な、獲り過ぎ=資源の枯渇問題の解決のためにも、話あいと共同管理こそが必要なのかもしれない。