サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾危機⑪ 台湾-現状維持が多数

 ニュースを見ると、軍事専門家と言われる人たちが「台湾有事」=「日本有事」と解説し、危機感を煽り、軍備拡大、ミサイル配備を唱える。
 しかしはたして、台湾有事=日本有事なのか?
 まず前提は、
日本は中国と「日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約」を結んでいる事。

第一条 1、両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2、両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。
.
 日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明では、
1、日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。
2、日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
3、中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重しポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
 とあり、日本国民もあらためてこれを確認し、厳格に守ることだ。
.
 次に、当事者の中国も台湾も「現状維持」の立場であり、すぐに戦争という事にはならない。ただ、偶発的な衝突を避けなければならないし、そのためにも中国、台湾はもちろん、日本、アメリカも軍拡を転換するべきだ。
 更に、中国の台湾進攻の能力の問題がある。ミサイルの打ち合いは可能かもしれないが、中国軍が台湾海峡を渡って占領するための数十万の兵員、大量の物資を輸送する船が足りない。
 台湾海岸の地形もあり上陸作戦は困難を極め、台湾軍に撃破される可能性が高い。
 米軍のミリー統合参謀本部議長は上院歳出委員会の公聴会(2021.6.17)で、
「中国が台湾全体っを掌握する軍事作戦を遂行するだけの本当の能力を持つまでには、まだ道のりは長い」「(中国による台湾侵攻が)近い将来起こる可能性は低い」と証言している。
.
 「台湾有事は日本有事」と煽る人達は、、それは日本国内の戦場下を意味し、エスカレートすれば核の戦場下になることを覚悟しなければならない。
 米軍が台湾有事介入し、中国と戦争する場合、出撃は沖縄など日本の基地からで、中国が更に攻撃を受けないように日本の出撃基地をたたくのは当然の事。
 米軍基地は日本なので、日本が個別的自衛権を行使するのは当たり前となる。それが日本が戦争に巻き込まれる一番の危険となる。
 抑止力は、どこの国も使う軍拡の理由づけの言葉。抑止力競争が軍拡競争になり偶発的な衝突につながる。抑止力を高めるための、軍縮だったあるだろう。双方が合意し、軍縮に向かえば互いに抑止する力は向上する。