サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾危機⑩ 南西諸島ミサイル配備

 布施祐仁著の「日米同盟・最後のリスク」のつづきです。
 先日、書いた核ミサイルメースBの誤射回避、核戦争の危機の問題。
 日本の国民は、攻撃側にいる認識、相手国に水爆を落とす側にいる認識が極めて弱い。
 狙いとされた中国側は、どうだったでしょうか? それなりに情報もつかんでいたでしょうし。
 当然、日本から発射される可能性のある核ミサイルに、おびえ警戒していたでしょう。でも軍事力では勝てない、そんな忸怩たる思うが何十年も続いていたでしょう。
 反撃能力があれば、当然、やりかえすでしょう。中国は今、経済大国になり軍事力もあり、その能力を持っています。

 日本が開発しているミサイル自衛隊の平成30年度 事前の事業評価 図-同ホームページ)
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 日本は「米国と一蓮托生」と思っているでしょうが、米国はそんな愚かな事は考えていません。
 旧日本軍が沖縄で行ったように「捨て石列島」です。米国本国は安泰です。だから、ICBMを打ち合う事はエスカレーションは回避し、相手国と同盟国の間の戦域戦争にとどめます。
 日本の南西諸島への中距離ミサイル配備計画に対し、中国側は、以下のような報道をしています。
 一部運用すれば、
 「米側はすでにMDTF(Multi-Domain Task Force)による地上配備型中距離弾道ミサイルの組み立て作業に入っている。これは「第一列島線」に優先的に配備される予定で、インド太平洋地域の安全保障にとって重大な潜在的リスクとなる」
「地上配備型中距離弾道ミサイルは現地での大規模なインフラ整備を必要としないため、MDTFが組み立てた後、米日の軍事基地に搬送して迅速に配備できる」
「これは危険な動きであり、瀬戸際で踏みとどまらなければ、将来にわたり災いが続くこととなる。日本も真っ先にその災いを被り、自業自得の結果となるだろう」
 これらの考えは、相手国からすれば、当然のことだろう。逆の立場だったら同じことをするだろう。
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j.people.com.cn
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 どうして国家は、対立し、軍拡競争に走るのだろうか? 愚かな事だ。
 だが、台湾有事関しては、本格的な侵攻は、よほど偶発的な事でなければ、すぐにはありえないというのが一般的な見方だ。
 軍拡をしたがるのは、予算獲得含め軍・関係産業の本質的動機だ。だから危機を煽り、予算を獲得しようとする。
 だが、国家としての軍事衝突には大きなハードルもある。また国民を巻き込むには、それなりのメンタル動員も必要だ。
 現状、米国も中国も、軍拡は望んでいても現状維持が一致点であり、台湾はなおさらそうだ。
 まだ一致点はある。現在進行中のとてつもない危機への対処。気候危機回避へ、共同を拡げる事だ。利害は完全に一致している。
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 次は、そのことを書いてみます。