今月15日、台湾は、戒厳令解除30周年を迎えた。
台湾は1987年7月までの38年間と言う長いあいだ戒厳令下に置かれ、「白色テロル」と呼ばれ、共産主義者に過酷な弾圧を加えた時代があった。
過酷な政治弾圧で逮捕や拷問、非公開裁判で数多くの冤罪を生み投獄され処刑された。犠牲者は2千人とも4千人とも言われている。
戒厳令は、毛沢東の中国共産党政権に追われ、中国大陸から渡ってきた蒋介石国民党政権が発令し、共産党員の一掃をめざした。
「西日本」の記事で、
「18才で逮捕された張常美さん(85)は、所属していた生徒会が反政府組織とみなされ、『全く理由がわからないまま、2回の取り調べで12年間も投獄された。多くの人が理由もなく消えた恐ろしい時代だった』」と紹介している。
しかし時は流れ、台湾は民主化に成功し、自由や民主主義が定着しつつある。
しかも政府が、当時の弾圧の犠牲者を追悼し、弾圧の実態を調査し、同じことを繰り返さない誓いの機会にしている。
一方、中国では相変わらず劉暁波氏などを弾圧する独裁体制を強いて人々を弾圧している。 私のファイル遡ってみらたら2009年、劉ノーベル賞受賞前の「熊日」のコピーがあった。
「一党独裁」廃止呼びかけ 劉暁波氏に懲役11年 国家転覆扇動罪 共産党批判で判決 の見出し。
あれから8年。
中国社会が民主的に変化するには、さらなる中国国民自身の下からの粘りづよい運動の継続が欠かせない。犠牲もともなうだろう。しかし踏ん張るしかない。
中国は今や世界第2位の経済大国、アメリに並ぶ日も遠くないだろうし、影響力は極めて大きい。したがっていっそう、世界の人々の中国国民への連帯も大事だろう。
日本?… そうですね日本は…。
一方で日本。戦前、軍国主義政府から苛烈な弾圧を受けた治安維持法などの犠牲者への国家的な謝罪や償いはない。
したがって日本はまだ、国民が主体的に、民主主義体制を実現した体験・自覚に乏しい。主権者としては、未だ成長途上と認識すべきなのだろう。
たたかいを怠ると、中国のような、戦前の日本のような独裁体制へと転落しかねない。
ウソとゴマ化しと知らんぷりで政治を私物化し、格差と貧困を広げ、憲法違反に上に憲法改悪を狙う安倍政権を辞めさせる事が日本の民主主義への現時点での大事な一歩だ。