「地球を『売り物』にする人たち」(マッケンジー・ファンク著)を読んでいる。
サブタイトルは「異常気象がもたらす不都合な『現実』」。紹介したい。
温暖化と気候変動がもたらす高温化、海面上昇、砂漠化、洪水など各地の被害の一方で、温暖化が好都合で新たな利益を得る地域がある。この本は、温暖化が進む中で便乗的に投資を行い、温暖化との相互作用で企業利益の最大化を図ろうとする現実を明らかにしたもの。
変化の多くが現れ、温暖化の連鎖を加速している北極圏。北極海の海氷融解のため、新たな夏場の海路、北西(カナダ側)航路と北東(ロシア側)航路の出現だ。アジアと欧米への輸送ルートが短くなり燃料代が節約できるというもの。ただ、利益を生む新たな航路めぐってカナダやロシアと他の国々との領海と公海の争いが起きているようだ。
もう一つの開発。海氷が融けてなくなるため、海底資源の奪い合いが始まっている。カナダ、ロシア、アメリカ、デンマーク、ノルウェーの5ヵ国。
特に、石油、天然ガスなどのエネルギー資源を求め多国籍企業と投資家が海氷の融解を待ち望んでいる。北極海(チュクチ海)11万7500平方キロメートルの海底オークションが行われた。23平方キロメートル単位でリースされる193区画。石油会社シェルが21億ドルで大半を入札した。
地球を「売り物」にする人たち――異常気象がもたらす不都合な「現実」
- 作者: マッケンジー・ファンク,柴田裕之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/03/11
- メディア: 単行本
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