「未来のための終末論」の続きです。
気候危機が迫りくるのに、それを回避する有効な手立てを講じえないでいる人類。
さて、どうすればいいのか?
私も気候危機・地球環境問題の学習会で話したりするが、日本での運動の広がりの弱さに絶望感すらある。
私が学び始めた17年前ごろは、CO²濃度は375PPM、気温上昇は0.75℃程度で、450PPMになれば2℃上昇は避けられずティピングポイントを超え、温暖化は暴走すると知った。その時期は今世紀の後半というのが科学者の指摘だった。
なのに現在では、415PPM、1.2℃ぐらいだろう。COPなど様々な会議が行われてきたのに、CO²排出は早すぎて、気温上昇が追い付かない状態だ。
大量生産・廃棄の資本主義システムが問題の根底にあり、大量消費生活に浸っているもとで世界の人々の行動が緩慢なのだろう。
ではどうすれば、破局を避けられるのか?
著者・大澤真幸氏の結論は、終末論を説く。裏返しの。
まず、将来の破局を避けえない運命として前提にする。
「破局は、すでに起きてしまった」と想定する。
で、破局後の時点を自らの立ち位置とする。
破局を「目撃」「知覚」する視点をそのまま<過去>へと振り向ける。
「未来の他者(破局後の未来にいるもの)」と同一化している現在のわれわれには、破局への過程がわかり、「他なる道」があることを知覚す。
そういう認識をすれば、破局を避けることができる。
なるほど。
では、そんな小説を作ればいいし、『ザ・デイ・アフター』などの映画もある。
あまり小難しくしないでもいいだろう。
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私の提案を浅はかな提案をひとつ。
毎日の天気予報の時に、以下を発表し、自覚を促し警告する。
①昨日の日本と世界の温室効果ガスの排出量と累積濃度
②現状からの2030年、2050年の温室効果ガス濃度の予測数値
③対策をすれば、 〃 の効果あり
⓸被害予測→高温、洪水、台風、海水面上昇などの予測を現状推移と対策の双方示す。
コロナの時は、感染者数、重症患者数、死者数などを毎日発表して、感染対策を促し、効果があった。
台風の進路予測、被害への警鐘は天気予報で行っている。
同じようにすれば、人々の認識はかなり違ってくるのではないだろうか。