海洋プラスチック-永遠のごみの行方(保坂直紀著)を読んでいる。紹介する。
わかりやすい文章だなーと思う。著者は新聞記者だったので。
プラ問題の情報はいろいろ多少なりとも知っていたが、本として読むのは初めて。
確かにプラスチックは便利だ。軽くて丈夫、形も色も硬さも自在で、しかも安い。
みなさんが今いるところを見渡しても、テレビやパソコンなどの電気製品、ボールペンなどの文房具、カーペットにスリッパ、洋服だってプラスチック製でしょう。
台所に行けば、食材を入れたトレイやラップ、プットボトル、洗剤などもプラ容器に入っている。
便利で世界中に普及している。ただし、一つ問題がある。
生分解しない。微生物が分解できないので自然に還元しないことだ。
プラスチックが生産されて約100年間。学術論文では、1950年から2015年までの65年間で、約83億トンも生産されたそうだ。
先進国と途上国では使う量に大きな差があるが、世界の人口77億人で割ると一人当たり1トン以上になる。
83億トン作られたプラスチックのうち、廃棄されたのは63億トン。そにうち燃やされたのが8億トン、リサイクルが
6億トン、それ以外の埋め立てや自然界への流出などの廃棄が49億トンだそうだ。日本のプラは約7割が焼却されている。
自然への流出を経て、毎年、海に流れ着くのが800万トン。車の重さを1.5トンとすれば、毎日、1万5000台分の重さのプラが海に流れついているという。
ただ、多くのプラは川を通じて海にたどり着くので、上流から河口に至る様々な場所に一時的にとどまり、これから海に到達するプラも相当な量になると思われる。
また、プラは比較的軽く、レジ袋などの薄い袋や大小のロープ・紐や網、タバコのフィルターなど、ありとあらゆるものが海に浮いたり漂ったり、沈んだりしている。
生物への様々な影響は重大だし、その結果は、未来の世代しか体験しない事になる。(つづく)