後藤さん殺害の報道がされている。各紙の記事を読むひまはないけど、様々なコメントは読んでみた。感想を書いてみたい。
いろいろ議論があるが「全ては2003年の米ブッシュ政権のイラク攻撃から始まった」、これは「朝日」でfの池上彰さんの指摘だ。当然の指摘だろう。
そして「ヨルダンは『イスラム国』への米軍の空爆に加わっている。日本はそのヨルダンに、難民支援などの人道的支援への財政的負担を減らして、軍事資金をまわすことができる」とも。
「世論の対立は相手にとって好都合でしかない」と主張するのは、青山弘之教授。
では、政府の立場で一致しなさいと言うことか?
過激な武装勢力の「イスラム国」と、敬虔なイスラム教徒は考えが違うし、空爆しているイスラム各国と空爆していない各国と、その国の国民の意見もいろいろある。
同じような見解は「読売」にコメントしている岡本行夫氏。「テロリストの狙い通りだ。日本は、国際社会とともに毅然とした姿でいくのか。それとも、テロリストの機嫌を損なわないように行動に気をつけ〜」と二択を迫る論理だ。ブッシュ大統領が911のあと、そんな敵味方を迫り、アフガン攻撃した。そして岡本氏は、イラク戦争を進めた米軍を支持した。
はたしてテロはなくなったのか?縮小したのか?拡大したのか? 検証するまでもない。産軍複合体は、しっかり儲けた。
議論になっている、後藤さんらが「イスラム国」に拘束されている時に、近くに行って「イスラム国」を空爆している国々への支援を表明する事の判断だ。
外務省からは、めずらしく異論が出たらしい。しかし官邸は押し切った。十分予測された事だったが、なぜなのか?わからない。
「イスラム国」は、身代金の要求はしていたようだが、水面下だった。殺害もされていない。安倍首相の発言をうけて、それを利用したように、最初の動画を流した。
どんな事があっても民間人の拘束や脅しは許されないが、予測できた事を行った理由、判断を明らかにすべきだ。
一方「イスラム国」も、今回の残虐な広報戦略は失敗したと言える。イスラム教徒の支持を受けるはずがない。安倍首相の発言に乗じただろうとはいえ、後藤さんは、紛争地域の住民の味方、イスラム教徒の味方だったからだ。テロリストの論理には乗らず、反発するはずだ。
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さて、後藤さんは、どちらの立場だったろうか?
私は憲法9条やNGOの立場だったと思う。暴力の立場に立たない。テロにも、戦争の立場にもたたない。 米国などイラク攻撃は、絶えず思い起こすべき問題の出発点のひとつだ。