サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

ジェネレーションレフト②

 久しぶりに「ジェネレーションレフト」ギア・ミルバーン著(斎藤幸平監訳・解説)の続きです。(読むのが遅い)後半部分が面白かったので(P152)紹介します。
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 私たちは、私有財産社会がいいと思っているが、これは本当にいい事なのか?
 今の若者は、私有財産をどれほど持てるのか?
 家は持てるのか? 土地は? 車は? 
 私が中学の頃、中卒で集団就職で都会に出た人は半分以上いた。中卒ながら、家庭を持ち家を持ちそれなりの暮らしをしている人が多い。今は、大卒でも家も持てず、ホームレスになる人さえいる。時代は変わった。悪い方に。
 いま多くの学生は卒業と同時に、安い給料から奨学金借金を返済しながら、日々の暮らしも、やっとという人が多いだろう。
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f:id:adayasu:20210906204333j:plain:right 私有財産の価値は、希少性と結びついており、私が所有するか、それともあなたが所有するかという競争的なものだ。
 無所有に陥るかもしれない、生活できないかもしれないという恐怖心は、右翼的な扇動を受けやすくなるという。
 コードやイメージ、文化財、特許、知といった、現代に支配的な財産の形態は非物質的だ。そしてそれらは無限にコピー可能だ。デジタルコンテンツに代表される無形財産は競争的ではない。複製にコストはかからず、私も、あなたも、誰でも所有でき、誰も損をしない。
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 ここで、デジタルコモン、デジタルコンテンツの共有という発想は、利用者に直感的に親和性があり理解されやすい。
 自分を表現したい、人とつながりたい、みんなでつくりたい、自律的にやりたい、という思いから、デジタルコモンを育て、コモンにもとづく成長へと、ジェネレーション・レフトは、進む可能性が開けている。
 賃料・使用料徴収型のビジネスモデルを抑制し、データ収集、ネットワークの恩恵を社会化する新しい協働的な生産活動へ移行する。
 既存の労働法を少し変えれば、ウーバーやデリバリー(宅配サービス)などの寄生的資本主義プラットフォームから、本来のシェアリング・エコノミー社会へと移行できる、とか言う事が書いてありました。
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 デジタル生産手段の社会的所有へ、、
                      つづく