サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

キューバ経済の困難と持続可能社会

 元共同通信のジャーナリストの伊高浩昭さんの「カストロが退陣したキューバ」の記事を月刊「社会民主」6月号で見つけた。紹介したい。
 私のこれまでのキューバ紹介とは違い、伊高氏によれば、キューバの状況はかなり厳しいようだ。
f:id:adayasu:20210529104850j:plain:left キューバは革命後、フィデル・カストロの下、旧ソ連型の経済社会を維持してきた。フィデル死後、弟のラウルが最高指導者となって10年がたち、4月の第8回共産党大会で、61才のミゲル・ディアスカネル氏に後継となった。
 最大の問題、課題は経済の再建。
 市民は物資不足のため、食料品などを手に入れるために、8時間も並ぶそうだ。これでは市民に不満がたまるのも当然だ。
 要因として、米国を中心した「経済制裁」がある。その不当性は、国連決議が繰り返し採択されて明らかだ。決議反対は米国とイスラエルだけだが制裁の打撃は大きく、キューバを長い困難に陥らせている。
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 国際的には「経済制裁」との宣伝が一般的だが、しかしキューバからすれば不当な「経済封鎖」が何十年もつづいていることになる。
 熱帯の国だから穀物類は自給できず輸入に頼っている。鉱物資源もニッケルなどわずかで自立経済にはハードルが高いかもしれない。
 また革命以前のモノカルチャー農業で、サトウキビ生産が輸出の中心でもあった。しかも現在、コロナ禍で観光業も厳しい状態、経済を直撃している。
 とは言っても最大の要因は、なんといっても歴代政府の経済政策の失敗があるのだろう。伊高さんにはこの分析を書いてほしかった…。
 そしてまた、どうすれば経済自立が可能なのか? その方策も示してくれれば参考になったけど、これがちょっと残念。そして持続可能の視点もほしかった。
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 いうなれば中国やベトナムは、市場経済を通じての「社会主義」をめざしていて、経済的には目覚ましい発展を遂げている。国民の生活も豊かになっている。
 でもそれは市場経済・資本主義としての経済発展であり、地球環境への負荷は極めて大きい。これらの国は、環境負荷では、他の資本主義国家と変わらず持続不可能で、惑星地球の限界にぶつかっている。
 キューバなど途上国が同じような大量生産・消費の物質的な豊かな国にれば、地球環境はとっくの昔に破綻していただろう。大きな環境負荷を与えながら豊かな国で環境被害の小さい国と、環境負荷が小さく豊かでない国の大きな環境被害の国の現状を世界はどう解消すべきなのか?
 キューバが地球環境負荷の小さい持続可能な社会でありながら、食料品を求めて並ぶことがないような自立経済で幸福に満たされるにはどうすればいいのか?知りたい。
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