サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

デジタル・デモクラシー⑤ 広告・大量生産-廃棄社会

 デジタル・デモクラシーのつづきです。
 ネット広告は、テレビ広告よりも刺激が強い傾向にある。テレビは、いろいろなCMが流れるだけだが、ネットはその人に関心がありそうな広告を出してくる。
 その手法として、著者の内田壇が紹介しているものに次のようなものがある。
行動ターゲッティング広告---利用者の閲覧、購買機歴などの情報や興味・関心に合わせて広告を提示する。
動画広告-------------------映像や音声をつけて商品・サービスを宣伝する
インフルエンサー広告---人気タレントやユーチューバーなどがSNS上で商品サービスを勧める
インフィード広告-----SNSなどで投稿やニュースコンテンツの間に効果的に配置される広告
ネイティブ広告----------サイト内の記事やコンテンツと似た体裁で制作された広告
アドバゲーム広告-------広告主が作成したゲームの中に企業名やブランドロゴなどが入っている広告

 これらは私も初めて知る広告手法で、これではなかなか広告と気づかない。

 米国の心理学会の研究では、5歳以下のこどもは、テレビ番組と広告の区別ができないそうだ。
 7~8歳以下の子どもは、広告の説得意図を十分理解できない。
 日本では、子ども向け番組の間に、番組内の人気キャラクターが広告(ホストセリング広告)として入ることがある。しかし欧米では、番組と広告の区別がつかない子どもの未熟さを利用するものとして、この広告は禁止されている。

 一方で、デジタル・ターゲッティング広告のための研究は急速にすすんでいるようだ。
 食品業界やIT業界は、子どもたちがゲームやSNSで、どのような行動をとっているかを日々監視している。また投資も行い心理学者や神経学者を雇い、子どもや若者の脳の活動を把握する研究を進めている。

 実に恐ろしいことだ。
 これらはすべて資本主義の商品売買の利潤追求を目的とする、大量生産・消費・廃棄社会を構成し、急速に地球環境も壊し続けている。
 広告が、科学が、技術が、人々の幸福のためではなく、私的な、あくなき剰余価値取得のために利用されている。

 このブログにも、アルゴリズムが選んだ広告が勝手に載る。

 記事と関係ないですが、庭のサクランボの花が満開に。