サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

デジタル・デモクラシー④ 子どもターゲッティング広告

 デジタル・デモクラシーのつづきです。
 子どもとネットの関係で心配されているのは、オンライン・ゲーム依存症。
 ゲームに熱中し、利用時間を自分でコントロールできなくなり、日常生活に支障が出ることだ。
 親からすれば、子どもがゲームに長時間熱中し、ユーチューブの何を見ているかは、とても気になるところ。
 だが、動画でどんな広告を見せられているかは、ほとんど気にしない親が多い。
 
 2020年に「世界の子どもたちの未来のゆくえ」という報告書が発表された。
 そのユニセフ、WHOなどの専門家による報告書によると、子どもたちと若者の肥満の数は、1975年の1100万人から2016年には1億2400万人へと11倍に増加しているそうだ。
 原因は、ジャンクフードや砂糖入り飲料の広告にさらされ肥満につながっているとし、その背景にオンライン・ターゲッティング広告や関連する商品開発があるという。
 
 ペプシコは2018年、新商品「マウンテンデュー・AMP・ゲーム・フューエル」を発売。
 高加糖コーンシロップ、カフェイン、各種ハーブなどが多く含まれ、「ゲーム中の注意力と正確さを高める、ゲーマーを対象とした新しいエナジー・ドリンク」が売り文句。
 こうした商品がインフルエンサーを通じて、ゲームそのものと連動して、日々子どもたちに発信されている。

 ポケモンGOは、広告を出したレストランや店の前にユーザーを連れていくこともできる。ゲームの最中に自販機が現れ、プレイヤーのアバタ―が好きなドリンクを飲むというしかけもあり、子どもたちへの広告効果は絶大。
 これらは米国で、黒人やヒスパニック系など有色人種の子どもや若者を狙っている分析もあるという。
 私の周辺では、トミカの車おもちゃを扱った子ども動画が多く、数十万から週百万の視聴を記録しているものも多い。それらは当然商品購入と結びついている。

 子どもたちは、動画と広告の区別はつきにくいし、依存症になりやすい。
 依存症と言えば、酒、タバコ、ギャンブル。だから未成年には禁止されている。
 だがネットの世界に、未成年への規制はない。大人はこの実態を、知らないでいいのか。