サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

アメリカは日本を守らない①

 
 「アメリカは日本を守らない」--米軍最強という幻想--(北村淳著:PHP)を読んでいる。
 前回書いた「シュミレーション日本降伏」も面白かったが、今回も参考になる。
北村氏は、アメリカを拠点に軍事コンサルなどをやっているようだが、警視庁公安部出身でもある。
 主な著書をみると、この20年余で考えがかなり変わってきているようだ。
 2015年に「巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない」(講談社)というタイトル日本を書いているが、今の認識は逆転している。
 北村氏は、日本の主な軍事アナリストのように、米軍サマサマではない。
 表題の。
「米軍最強という幻想」は、戦力を比較すると中国に対し、圧倒的優位はないと意味だ。
アメリカは日本を守らない」は、これは世界の常識・日本の非常識だが、いざとなったら国益のために日本は〝ポイ”と捨てられる、ということ。
 北村氏は、日本は軍事的属国と、以下の理由で断言する。
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  ①アメリカ軍の大部隊が日本領域内に永続的かつ一方的に駐留している
アメリカ軍は、自らの必要に応じて日本領域内に軍事施設や演習場を確保できる
アメリカ軍は、自らの必要に応じて日本領空や領海を管制することができる
在日米軍基地施設の管理権が完全にアメリカにある
アメリカ軍関係者(広い定義)は日本の入国管理に従う必要がない
アメリカ軍部隊は、日本当局側に軍事的許可を得ることなしに、日本領域内を自由に移動できる
アメリカ軍と自衛隊の情報交換は平等ではない
⑧日本領域内で戦闘が生起し、米政府が軍事介入を決断した場合、日本国の軍事組織である自衛隊アメリカ軍の指揮下に編入される趣旨の密約「指揮権密約」が存在する
⑨いわゆる日米同盟の具体的内容を実質的に決定している日米合同委員会のアメリカ代表はアメリカ軍人であり、日本側代表は、日本政府(官僚)である。すなわち軍事占領態勢がそのまま継続してる
⑩日本政府(官僚)日本で(訓練・演習)するアメリカ軍の利益代表機関のような役回りを演じている

 日米安保条約航空特例法日米地位協定日米地位協定合意議事録、日米合同委員会、密約などによって、日米間の取り決めがなされ、実行されている。
 まさにその通り。
 しかしその事実が国民の認識になっていない。なぜか?