昨年の日米共同訓練は、121回、空自・海自・陸自・統合幕僚合わせると、のべ1198日にのぼるそうだ。(赤旗12/30)
北朝鮮の核とミサイル実験問題で、日本海に派遣された米空母・打撃軍や米戦略爆撃機の援護や補給のためだ。北朝鮮としては、相当な脅威と感じただろう。
もちろんこれは米軍の指揮権にもとづいて、米軍補完の実践的な訓練を積む場となっている。
北朝鮮が北朝鮮国体の自滅覚悟で先に攻撃してくることはありえない。
しかし米軍が北朝鮮を攻撃すれば、日本は反撃を受けることになる。米国本国に北朝鮮のミサイルは届かないが、米軍基地がある日本は攻撃される事になる。
朝鮮戦争をきっかけにして、米軍の日本指揮権が確立していった。
悪名高いダレスが仕掛けた法的トリックを「知ってはいけない2」で矢部宏冶さんが解説している。(引用)
1951年1月、日米行政協定の交渉担当者ラスク氏が米議会聴聞会で、「今回、(日本との)交渉では、米軍の司令官が日米のすべての軍隊の指揮をとるという、前例のない権利を獲得する予定です」と述べている。まさにそのとおりになった。
占領政策の継続を法的に滑り込ませた。日本の政府担当者は、脅しに屈して、あるいは戦争犯罪の免罪で、容認していった。公表できない部分は密約として効力を発揮している。
その行政協定と旧安保の前の段階は「日米安全保障協力」案と言うらしい。
その第8条2項は、「日本区域において戦争または差し迫った戦争の脅威が生じたとアメリカ(の軍部)が判断したときは、警察予備隊ならびに他のすべての日本の軍隊は、日本政府との協議のあと、アメリカ政府によって任命された最高司令官の統一指揮権のもとにおかれる」とあり、これが表現を変えて、或いは日本側だけの密約となって今日に生きている。
現在の安保条約の第4条に「〜極東における軍事的脅威が生じたおきはいつでも、いずれか一方の要請により協議する」とある。
国連憲章の第106条で「〜国際平和と安全の維持のために必要な共同行動を国連に代わってとるためにたがいに、または必要に応じて他の国際連合加盟国と協議しなければならない」―これは国連軍が機能するまでの間、米国(5ヵ国)にその権限を認めている。
これを利用して、米軍は自衛隊の指揮権を持ち、実際に自衛隊を自由に動かせるように、共同訓練をしている。戦争遂行の中枢である軍の作戦・指揮・情報(C4ISR)は米軍が握りこれにもとづいて訓練も行われている。
日本国民は、「米軍が日本を守ってくれている」との魔法をかけられている。時々、北朝鮮の脅威、中国の脅威、テロの脅威を宣伝すればコト足りる。 支配と従属ってこういうこと…と感心してはいられない。目覚めが必要だ。