サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「基地国家日本」の形成と展開⑨

 松竹伸幸氏の著書「「基地国家日本」の形成と展開」には、「外交権の核心を譲渡して自動参戦」の項目がある。
 23年前の本で、まだイラク戦争も起こっておらず、日米共同作戦の「新ガイドライン」が問題になった頃で、当時の松竹氏の指摘はうなずくことばかりだ。

 日本には、外交権があるように見えて、本質的にはないという事。
 知らなかったが、オーストラリアやニュージーランドは、第二次世界大戦前、議会と立法権を持つ自治領だったが、実際はイギリスの植民地とみなされていた。
 それは外交権がイギリスに属していて、他国との条約締結が制限されていたこと。さらに宣戦布告の権利を持たされず、またイギリスの戦争に自動的に参加させられる状態だった。

 今の日本は、国民の認識とは裏腹に、外交権がない、戦争参加を拒否できない状態にある。
 安保6条-米軍出動の際の事前協議は最初から形骸化されていて意味をなさない。

米軍に指揮される自衛隊の姿がより明確に という項目がP51にあって、ますます、そのとおりと思う。
 朝鮮有事の時は、自衛隊を米軍の指揮下におくための日米統一司令部がつくられ「指揮権については米側に所属するものとし、作戦の統一統制をおこなう」(ブル・ラン作戦計画)
 この項の最後で、「あらゆるものが『日本防衛』のためのものとされてきた。ところが新ガイドラインによって、この20年にわたって準備され、具体化されてきた「共通の基準(交戦規則)」、「共通の実施要領(出動態勢レベル)」「調整機関(統一司令部)」が、じつはアメリカの国益のための戦争が行われる「周辺事態」に適用される事がはっきり示されたとする。
 この本質的な内容は、安保法制の強行によって、米国との関係で「存立危機事態=集団的自衛権」行使の法整備を進め、いまや実戦可能な軍備、訓練、財政、諸体制を作りつつある。
 これらは、台湾危機をめぐって、これから実動されていく。継戦争能力を高めるため、弾薬庫を増やし、基地のシェルター化をすすめている。
 このような日本の大転換を図る重大事態の時に、国民が事態の認識をすすめようとする時期に、大軍拡ストップに最左翼で論陣を張っている日本共産党に、なぜ?当面「核抑止抜き専守防衛」をとるべきと主張するのか?
 当面でも政党として安保堅持に変わったら、日本共産党日本共産党でなくなる。

 「外交権を譲渡して自動参戦」と書いた人が、なぜ? 統一地方選前なのに、メディアを巻き込んで。
 「核は抜いて」も、すっかり「抑止力」論の立場に陥ってしまうのか?。
 米軍基地があり、米世界戦略と他国へに武力介入の相応体制をとって、主導しているからこそ、周辺国は対抗策をとろうとし、軍拡競争に陥ってしまっている。しかも、米国は「抑止力」論は、核兵器と切り離せないのはわかりきっているのに。外交権がないって言ってたでしょう。