サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

安保条約 自衛隊考⑥

  自衛隊考からちょっと離れますが、在日米軍・安保条約について考えます。
 なにせ、密約により自衛隊を指揮する米軍ですから、その米軍がなんのために日本にいるのかを知る事は、本質的な問題でしょう。
 で、日本が米国と平和条約を結ぶと同時に締結した旧安保条約。
 その第一条は、
 平和条約及びこの条約の効力発生と同時に、アメリ合衆国の陸軍、空軍及び海軍を日本国内及びその附近配備する権利を、日本国は、許与し、アメリカ合衆国は、これを受諾する。この軍隊は、極東における国際の平和と安全の維持に寄与し、並びに、一又は二以上の外部の国による教唆又は干渉によつて引き起された日本国における大規模の内乱及び騒じようを鎮圧するため日本国政府の明示の要請に応じて与えられる援助を含めて、外部からの武力攻撃に対する日本国の安全に寄与するために使用することができる。 となっている。
 この内容が現在の安保条約に引きつがれ、沖縄や横田、横須賀、佐世保、岩国などの基地となり、アジア・太平洋から中東まで、地球の半分以上に米軍が展開する拠点となっている。
 重大な事は、赤・青で示した部分。
 米軍を、日本とその周辺に配備、とある。私もこの異常さに、なかなか気づかなかった。
 比較すればわかるが、フィリピン。米国の植民地でもあったが1947年に結ばれた「米比軍事基地協定」は、米軍がフィリピン内に基地を置いていい場所は、23カ所で、ここと、ここと、…と場所が特定されている。
 日本は、全土基地方式として、米軍はどもでも自由に基地を置き、「配備」なので、そこで訓練し、外国に自由にでかけ武力行使ができる。これを日本政府が認めている。
 事実、米軍は、朝鮮戦争からベトナム戦争湾岸戦争イラク、アフガン戦争などに日本から出撃していった。日本は、戦争をしない9条がありながら、他国攻撃の権利を米軍に認めている事になる。
 もう一つ。イラク戦争後に、米国とイラクが結んだ「イラクアメリ地位協定(2008年)」。その中でイラク政府は「イラクに駐留する米軍が、イラクの国境を超えて周辺国を攻撃することを禁ずる」という条文を交渉して付け加えさせた。
 主権国家としては、やむを得なく外国軍の駐留を認める場合は、当然の事だろう。

 そして日本は、安保条約の第六条で、
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するためアメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される
 となっており、日本への攻撃と関係ない場合でも、極東まで拡大され、今では安保法制で地球の裏側まで派兵可能とされる。施設は基地の事だろうが、区域とは、訓練のために空も陸も海も自由に使える概念だ。
 下の本からの引用紹介です。