表をご覧いただいて、どう思われますか?
陸海空の自衛隊の司令部が米軍基地内あります。
在日米陸軍のあるに座間に陸自中央-司令部、第七艦隊の横須賀に海自司令部、第5空軍の横田基地に、空自の司令部です。
わざわざ米軍基地内に移転(2013年)したので、米軍が自衛隊の指揮をする「指揮権密約」問題で言えば、ズバリ!と言ったところです。
トランプ大統領は、成田に空港でなく横田基地に降りました。韓国でも在韓米軍基地のキャンプ・ハンフリーに降り立った。やはり軍事的支配者、米軍最高司令官としての権威を示すもの。矢部宏冶さんに言わせるとトランプ氏一行は入国していない、と言う。米軍基地から日本への出入りは自由だからだ。
中国には北京の基地でない空港に着陸し、入国した。
韓国の文大統領が、どんな事があっても軍事衝突・第二次朝鮮戦争に進みかねない事態を避けるの当然だ。数百万の犠牲者を生み出しかねない。北朝鮮の狙いは、朝鮮戦争を終わらせる米国との和平だし…。
だから文大統領は、米トランプ大統領に対してもキチンと発言している。
指揮権密約、そして警察予備隊発足⇒保安隊⇒自衛隊の対米従属化に至る起源は朝鮮戦争だ。
東西冷戦下、北からの軍事進攻で始まった朝鮮戦争。占領下の日本は、GHQ最高司令官マッカーサーの命令を拒否する法的権利はなく、朝鮮半島への上陸作戦のための機雷除去の掃海艇派遣を命じられ、機雷に触れて戦死者を出している。
半島に米軍が派遣され、手薄になった米軍基地を守る目的でつくられたのが自衛隊の前身の警察予備隊だ。
旧安保条約の原案をマグルーダー陸軍少佐という人物が、朝鮮戦争が始まったころの1950年10月27日に書いている。
第24条に「日本軍」という条項があり、
(1)この協定(旧安保)が有効なあいだは、日本政府は陸軍・海軍・空軍は創設しない。ただしそれらの軍隊の兵力や酒類、編成、装備など、あらゆる点についてアメリカ政府の助言と同意があり、またその創設計画がアメリカ政府の決定に完全に従う場合はその例外とする。
(2)戦争の脅威が生じたと米軍司令部が判断したときは、すべての日本の軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとに置かれる。
(3)日本軍が創設された場合、日本国外で戦闘行為を行う事はできない。ただし前節の(アメリカ政府が任命した)最高司令官の指揮による場合はその例外とする。(知ってはいけないより)
ここまで露骨な表現はできないので、密約として存在し効力を発揮している。
発足時75000人の警察予備隊の創設責任者、占領軍のフランク・コワルスキー大佐は、
「警察予備隊のすべての計画と実施はわれわれアメリカ人が行った」と言っている。
もっとも歴代自民党政権、自衛隊の海外派兵は、米国に言われて作った憲法9条を理由にして拒んできた。そうさせさせてきたのは、戦争体験をもとにした国民の世論と運動だった。
無謀な戦争に国民を駆り立てて敗北し、負けた相手国の言いなりになる日本の政治指導者の卑屈さを知るべきだ。
その戦争責任を徹底して追及しきれなかった、主権者国民の到達点が、同じ轍を踏みかねない事態となっている。
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