今日の「赤旗」1面です。
岸田首相は、来月訪米し、バイデン大統領と会談し、在日米軍の司令部の再編に合意するらしい。
英フィナンシャル・タイムズによれば、1960年の日米安保調印後、日米同盟の最大の更新だと報じている。
「最大の更新」これが何を意味しているのか? わからない。
自衛隊は、陸海空を束ねる「統合作戦司令部」を今年度末にもつくる。
その統合司令部が米軍の指揮下に入るのではないか?というのがもっぱらの観測だ。
地球の半分ほどを作戦区域とする米軍のインド太平洋軍の司令部はハワイにあり、一方で在日米軍司令部は、東京の横田基地にある。
で、横須賀の米第7艦隊や沖縄・岩国などの海兵隊の司令部は、ハワイのインド太平洋軍にあり、この司令部機能の一部(場合によっては重要な)を横田か横須賀に移し、在日米軍の司令部の権限を強化するようだ。
これは米軍と一体化している自衛隊が、陸海空が動きやすい統合作戦司令部と変わり、インド太平洋全体を視野に置く米軍司令部の指揮下になる可能性を示すものだ。日本の防衛よりも、アメリカのための軍事戦略に組み込まれる危険がある。
米軍の台湾をめぐる対中国戦略に日本の自衛隊を組み込み、安保条約の極東対処を超え、南シナ海や東南アジアにも自衛隊の行動範囲を広げる事になる。指揮権は米軍であり、米国の利益の服する日本の軍備増強・軍拡となる危険性が高い。
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日米安保条約の危険性はこれほど極まっている。
なのに共産党から除名された松竹伸幸氏の認識は、現実から大きく外れている。
自分の安保・自衛隊論を党内に持ち込もうとして攪乱したが、安保賛成派や安保賛成メディアからは、期待どおりに大歓迎された。
そして対米従属、自衛隊基地建設、共同訓練の危険性を絶えず国民に知らせ、平和の運動を拡げ、アセアン外交など、平和の方向を提案している日本共産党を貶めている。
先日、松竹氏は辺野古に行った動画を配信してた。悪くはないが、辺野古の認識も遅れ、事態の認識がずれている。
どちらかと言えば、与那国や宮古に行って、住民を巻き込んで対中国への捨て石になろうとする日本、自衛隊の基地建設を目の当たりにすべきだろう。辺野古新基地も米海兵隊が使うというよりは、自衛隊「海兵隊」などが主流になると思う。
自衛隊の現実は9条違反の側面と同時に、それ以上に、「日本を守る自衛隊」ではなく、米軍指揮下の第二米軍として、「米軍を守る自衛隊」に成り下がっている。そういう憲法違反の実態がある。
多分、共産党が党としての基本政策を変えて右側によれば野党共闘が進み、変化が可能と思っているのだろう。
そんな甘い話はありえない。支配権力の力を実感できていない。
結果、昨今の松竹氏の対米軍拡勢力との共同歩調は、彼の過去に照らして、真逆の方向へと進むだろう。
自分の考えに固執する事は悪い事ではない。だが、その在り様を誤る姿は、極めて残念でならない。
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