「マルクス解体」とは、主にエンゲルスがまとめた旧来のマルクス像に対し、マルクスの晩年の研究に光をあて、新しいマルクス像を再構築しようというもの。
以下、小林拓音氏の書評はおもしろい。
「動物の健康を憂うマルクスを。感染症のリスクを意識するマルクスを。西欧ではなくアジアやアフリカ、ラテンアメリカを研究するマルクスを」
斎藤幸平以外に、こんなマルクスを紹介した人はいない。
気候危機、森林破壊、アニマルウェルフェア―、感染症、先住民‥‥今日、深刻な問題になっている自然と人間社会の関係のあり方を、資本主義の本質として研究・解明しようとした。
しかし、古い左派はこれらを理解しようとしない。それは地球を知らないからだと思う。
昨年の世界の平均気温が1.5℃を超えた。今年も超えるだろう。やがて10年平均でも超えるだろう。
パリ協定はなんだったのか? 物質生産・経済成長を続けている現状では破局は確実になるだろう。
事故にしろ、病気にしろ、すでに手遅れという事はよくある。今やその状態だ。