サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

マルクス解体⓸ MEGA第4部門

 古い「経済」が本棚から出てきた。
2011年5月号で特集「マルクス資本論』のすすめ2011」となっている。
 線を引いていないので、読んでいなかったようだ。
 この中の大谷禎之助氏の論文--「『資本論』研究とメガ(MEGA)の意義」を読んだ。
 大谷氏は、マルクスの抜粋ノート、メモ、欄外書き込みを編集したメガ第4部門-の意味について、「マルクス生涯にわたる知的活動の結果であり結晶であって、彼の書作や論文だけではもちろんのこと、それに草稿を加えてさえ追うことができないような彼の思考過程を知る手がかりを秘めている宝庫」と書いている。
 マルクスの研究の仕方は、様々な研究対象の本を読み、考えた事を欄外に書き込み、ノートに書き、メモにし、本としてまとめる草稿を書き、またノートに戻り原稿を書く、といった往復型の思考過程をしていた。
 マルクスは研究途上であり、資本論を完成させることができなかった。
 しかし何を探求し、模索と研究の途上であったかは、ノート、メモ、欄外書き込みに記録されており、これを極めることはマルクスの到達を知る重要な記録である。
 斎藤幸平は、この第4部門の編集にたずさわり研究を深めてきた。
 とりわけ最晩年にマルクスは、何を探求していたのか、その中に人類が直面する地球破壊から転換する人間社会のあり方のヒントを得ようとしている、と思える。
 マルクスの文献だけから人類、地球を見るのではなく、地球と人間の現状から、マルクスを見ようとしている、と思える。