サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

マルクスの「生産力」概念 論争①

 地球限界時代とマルクスの「生産力」概念--聴涛弘著を読み終えた。
 「経済」元編集長の友寄英隆氏と日本共産党の元政策委員長の聴涛弘氏の「生産力」概念をめぐる論争だ。
 専門的で難しく理解不十分だけど、現状での思いを書いておきたい。
 聴涛氏は、高齢のマルクス研究者には珍しく(失礼)、斎藤幸平氏との対談も行うなど、「脱成長」論にも刺激を受けていると感じる。
 表題に「地球限界時代」を加えている。これは人新世時代を意味する。
 また、聴涛さんは、多方面に自分の論考への意見を求め、相互のやり取りを紹介している。友寄氏との論争も前向きで双方とも学者らしい態度だと思う。
 一致点と不一致点を探りながら意見交換はつづくのだが、不一致点については、
①生産力と生産関係はどちらが主導的か
未来社会の生産力水準とは何からについて
③社会進歩の基準としての生産性
④人類の「本史」で生産性はどのような意義をもつか
 などが深められている。
 結構、難しく私のオツムでは理解に時間がかかるので、少し学んでから、別の機会に書くことにします。
   で、
 残念ながら先行の多くのマルクス研究者は、地球の限界を捉えなさすぎると思う。世界的なの新しい議論、必要な課題について行っていないと感じる。
 たとえばケイト・ラワース「ドーナツ経済」のなどは読まれたのだろうか?
 と言いながらも、愚かにも、私もその本そのものは、読んでいなかった。
 記事で読んだりネットで見たりし、ドーナツ図は、自分の学習会のプレゼンでも使っていたので、これでわかっていたつもりでいた。
 「あ~ぁ」と、不明を恥じながら、「ドーナツ経済学」を買って読み始めた。これがなかなか面白い。
 ということで、しばらくこちらの方を紹介していきます。
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 ケイト・ラワースの講演動画。パワフル。字幕を日語でご覧ください。
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www.youtube.com