聴涛弘氏の「マルクスの『生産力』概念を捉えなおす」のつづきです。
史的唯物論について、「エンゲルスの忠告」というのを聴涛氏が紹介していて面白い。
「『われわれの史観は、なによりもまず研究にさいしての手引き』であって『歴史全体が新たに研究されなければならず、さまざまな社会構成体の存続条件が一つひとつ探究されなければならぬであって、‥‥この間では、これまでほんのわずかのことしかなされていません」という。そのうえで、われわれのこの面では、『多大な手助け』が必要なのであって『史的唯物論というきまり文句を使って、もっぱら自分自身の比較的貧弱な歴史的知識を大急ぎで体系化』するようなことをしてはならないと警告している(コンラート・シュミットへの1890年8月5日付け書簡)(写真:ウィキペディアより)
経済学批判の「序言」の史的唯物論については若い頃、教えら、学んだ。民青の学習会でも、原始共産制から奴隷制、封建制、そして資本主義から社会主義、共産主義への人類の発展は必然だと話してきた。その記憶がまだ残っているが、どうやら「きまり文句」に近い内容も少なくなかったかもしれない。
若い頃に学んだ記憶だけでは、ダメだな。可能な限り最新の知見を取り入れないと恥ずかしい思いをする。
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今日では、コモン型の社会主義、共産主義に向かう前に、気候変動で人類絶滅は危機に瀕する可能性が高い。資本主義のまま、文明崩壊に直面する可能性もある。科学者は繰り返し、絶滅を警告している。
なんとしても気候危機を回避しなければ、ならない。人類が絶滅するのは自業自得だとしても、多様な生物種を道ずれにすることは許されない。生態系を保存し、回復することこそ、人類が生き残る道だ。