サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾危機⑥「三矢研究」現代版

布施祐仁著の「日米同盟・最後のリスク」のつづきです。
 「三矢研究」というのが自衛隊統合幕僚会議で密かに行われた。日米新安保が結ばれた後の1963年の事。昭和38年だから「三矢」という事らしい。
  研究内容をウィキペディアから引用すると、
 朝鮮半島で武力紛争が発生し、これが日本に波及する場合を想定し、非常事態に対する日本防衛のための自衛隊の運用並びにこれに関連する諸般の措置及び手続きを統合の立場から研究することを目的とした。シナリオは以下のとおり。
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「昭和3X年4月に第一動として韓国軍内の一部において反乱が起き在韓米軍がこれの鎮圧に出動、この状況に呼応するように日本国内の治安情勢が悪化。
第二動として北朝鮮内でも動静が活発化し反乱軍に支援が行なわれる
第三動として38度線を北朝鮮を主体とする共産軍が南下し第二次朝鮮戦争が勃発し、続いて西日本に対する武力侵攻の危機が高まる
第四動として韓国国内の情勢悪化にともなう日本国外からの武力脅威が増大し自衛隊は米軍との共同作戦を開始
第五動としてついに西日本が攻撃を受け、北日本ではソビエト連邦による北日本に対する武力侵攻の危機が増大し、朝鮮半島では戦術核が使用される
第六動としてはソビエト連邦が北海道に進攻を開始し自衛隊と米軍の共同作戦が本格化
第七動で日本全土に対するソビエト連邦軍による本格的海空攻撃が行なわれ、全戦場で核兵器が使用され(この時点で日本は壊滅的損害を被る)
 最終的にサハリン、北朝鮮満州中華人民共和国への反攻および核報復によってアメリカが勝利するという想定であった」
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 米ソ冷戦下、第一次朝鮮戦争のあと、軍事の専門家-自衛隊としては、そんな想定もしたのだろうが、ちょっと恐ろしい研究だ。
 韓国、北朝鮮、日本、朝鮮半島、中国、ソ連での戦術核の応酬、核戦争まで想定している。先の戦争を遂行した旧日本軍の幹部だった人たちが中心の自衛隊だが、密かにここまで考えるとは、これまた恐ろしい。
 ここで肝心なのは、米国本国以外での核含む戦争で(ソ連はサハリン)、自国安全のアメリカの戦略が浮かび上がる。
 これまでも、現在でも、北朝鮮やロシアが、墓穴を掘る先制攻撃をすることは考えられない。
 いま想定され、計画され、配備が進み、訓練が進んでいるのが対中国シフトだ。
 特に九州から奄美、沖縄、先島諸島--に至る第一列島戦を戦場とする想定だ。
 台湾をめぐって、中国との戦争、、恐ろしい事だが、主権者・国民がどれほど、その認識があるのか?不安。 こちらの方がより恐ろしい事だ。
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ja.wikipedia.org


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