サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾危機⑦「遠征前進基地作戦(EABO)

 今日は、77回目の「敗戦表明記念日」。
 日本はこの間、間接的には多くの戦争にかかわってきた。しかし憲法9条もあり、反戦運動もあって直接の参戦は、ベトナム戦争の時も、アフガン、イラクの戦争の時にも回避できてきた。
 だが懸念されている次の戦争は、台湾をめぐる中国と対決で、戦場は南西諸島を想定している。
 布施祐仁著の「日米同盟・最後のリスク」のつづきです。
 第4章までは、戦後の「日本の戦争する国づくり」を歴史的に解明している。
 今回、第5章の「対米対立と核ミサイル戦争」です。
 キーワードは米軍の「遠征前進基地作戦EABO)」。ここ数年で、この作戦名を聞くことになった。
 陸自のサイトでは、領域横断作戦と機動展開前進基地作戦(EABO)となっており、なぜか遠征は⇒起動展開と変えられている。
 米側は、海兵隊なので遠くへの、遠征だろう。
 自衛隊側の領域横断は、陸・海・空に加え、宇宙、サイバー、電磁波、(最近では人々の認知領域まで加える話もある)といった領域も横断的に戦場とする作戦。
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www.mod.go.jp
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 上記、陸自サイトから重要だと思う箇所を引用すると、 
「領域横断作戦とEABOとの共通点については、どちらの部隊とも作戦当初から戦域内に所在する「スタンド・イン・フォース」として、あらゆる領域からの攻撃に対して部隊を防護し、持久して作戦を遂行するという点にあります。このため、同じ地域において陸上自衛隊と米海兵隊が作戦をする上で、あらゆる領域からの攻撃に対して、お互いに補完し合いながら部隊を防護しつつ作戦を遂行することが極めて重要となります」
 この中で、スタンド・イン・フォースとは、相手国のミサイル等の射程距離内で戦うということになる。それはどこかというと、当然、九州から奄美、沖縄、先島諸島、台湾に至る日本の島々となる。
 島民はどうなるのだろうか?
 ウクライナ戦争では、1000万人もの住民が列車やバスや車で避難する映像が生々しく流された。日本の南西諸島の場合、船か飛行機になるが、誰がどう責任を持つのか?自衛隊でないことははっきりしているので、住民は覚悟が必要となる。


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 なぜそんな事が必要か?
 米国の対中国軍事戦略に基づいていて、特に台湾有事の再に、東シナ海側に中国軍を封じ込める作戦をとる。
 戦場は、日本の南西諸島とその周辺空海域で行われ、被害もそこに集中し、核へのエスカレーションを避けるため中国本土への攻撃を避けるだろう。
 日本の自衛隊と米海兵隊がたたかい、中国軍が疲弊したところで、ハワイ以南に退避していた米空母機動部隊は停戦交渉と絡めて動き出すことだろう。米国のオフショワ・コントロール戦略なら、そんな感じと思う。
 自衛隊の任務は、日本の国民の命を財産を守る事ではなく、米国従属下で戦争し、米軍と国家を守ることにある。問題の根本には、米国の日本支配、日本の積極対米従属化にある。
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 危機は、現在進行中の最悪の脅威は、終結の見込みもないたたかいは、地球環境の激変であり気候変動だ。戦争準備なんかやっている場合ではない。同盟は、米中日ロ、各国とも気候危機回避の同盟こそ、結び行動すべきだ。