サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

タカ派の平和ボケ

 「平和ボケのタカ派」は日本を核戦争に向かわせる―軍事評論家の田岡俊次さんがDIAMOND誌に書いている。紹介する。
 「読売」の世論調査(2017.12.20)で、
 北朝鮮が核実験やミサイル発射などを続けた場合、米国が北朝鮮に軍事力を行使する事について、の問いで、
 支持する47%  支持しない46%


 と日本国民は答えているが、これをどう見るか? まず考えて下さい。
 どんな考えや気持ちで…
 田岡氏は「『平和ボケのハト派』の観念論はうるさいだけだが、『平和ボケのタカ派』は政府を戦争に向かわせ、大惨事を招く実害を生じかねない」と語る。
 もし、北朝鮮が自暴自棄になって東京に核攻撃を加えれば、昼間だと400万人が死傷する事になるが、その現実を日本国民は理解しているのか? という思いだ。
 同じ調査で米国では武力行使支持する63% 支持しない32% 
 これは当然だろう。今なら米国本国に危害は全く及ばず、その除去のためだからだ。
 他国が将来、自国にとって危険になりかねない、という理由で攻撃する『予防戦争』は国家の正当防衛である自衛の範囲を超え、国際法に違反するが、「米国第一主義」として、それを支持する米国民も多い。
 その「アメリカが北朝鮮を懲らしめてくれるならいい」といった気分から、米国の軍事力行使を支持するとしたら、「戦争はめったに起きない」という「平和ボケ」だ、と田岡氏。
 武力介入の脅し、「圧力さえかければ相手は言うことをきく」と思い込む、これが「タカ派の平和ボケ」で戦争に向かわせると批判する。
 軍事力行使を支持するもうひとつの理由として田岡氏があげるのが「弾道ミサイル防衛」だ。
 現在4隻のイージズ艦は各8発の迎撃用ミサイルしか搭載しておらず、相手国のミサイル32発しか撃ち落とせない。しかも良い条件下で75%。北朝鮮スカッドミサイルやノドンなど2〜300発もミサイルをもっているので一斉に打たれたら防ぎようがないという。
 高いイージズアシュアを2つ米国から買って設置する計画だが、それでも全くたりない。安心感だけの宣伝としても高すぎる。トランプ商売に対し、なんでも買います日本。

 米朝の争いなのに、なぜ日本が巻き込まれ、原発を狙われたり、核を撃ち込まれたら先の大戦以上の被害がでる危険に、進まなけらばならないのか? 米国は安全圏にいるのに。
 これは、圧倒的に米国よりの報道がされて、その影響を国民が無批判に受けているからだろう。だから韓国の文政権の対話政策を疑問・批判的に扱う報道が多い。
 米朝の争いだが、韓国は戦場になるから韓国が危機回避に向かおうとするのは当然だ。日本は直接関係ないのに、米軍基地を置き米軍と一体の作戦で戦争当事者になろうとしている。
 その認識が報道や国民にない事が一番の危険なことだろう。