ちょっと前、11/29日「朝日」のオピニオン&フォーラム。
元米国防長官のウイリアム・ペリーのインタビューが載っている。
どうする北朝鮮問題― 前回、1994年の朝鮮半島危機の時、米国防長官だったペリー氏の話なのでとても興味深い。紹介する。
ペリーと言えば、幕末に蒸気船で日本を訪れ、開国を迫ったペリー提督が有名。その末裔らしい。そして数学者。
1994年、北朝鮮が原子炉からプルトニュウムを抽出する旨発表。国防長官になったばかりのペリー氏らは、「必要があれば軍事行動をとる」との声明を出した。実際に、核施設を巡行ミサイルで破壊する軍事計画をたて、クリントン大統領に在韓米軍3万人の増派を提案した。
ペリー氏は、当時の羽田孜首相に会い、「もし戦争になれば、在韓米軍の補給で日本の航空基地を使うことになると説明」羽田首相は、「はい、分かりました」と言い、公表しないように要請されたとのこと。そして「作戦が実行可能だと大統領に説明した」との事だ。
これは重大な事だ。日本政府は、日本が攻撃されていないのに、米軍の朝鮮半島への出撃基地、兵站基地となり、戦争に加担することになる。また、そんな危険な事を国民に相談することもなく、米国にOKを出した。
現在のトランプ大統領、金正恩と恥ずべきののしり合いを繰り広げている。アベ首相は、トランプ大統領の軍事オプションも支持しており、極めて危険な事だ。
偶発的な衝突に発展すれば、23年前とは比べ物にならないぐらい被害を日本にももたらす事になる。
ペリー氏、核戦争になりば韓国の被害は朝鮮戦争の10倍、日本の被害も第二次大戦の被害に匹敵すると指摘。
「『核戦争がいよいよ起きる』と思ったことが人生で数度ありました。キューバのミサイル危機では大半の人が思っているより、核戦争の間際までいきました。米国が核攻撃を受けると誤解し、核戦争勃発寸前のこともあった」と述べる。
そして「外交官に必要のは『舌先』より『耳』です。相手が何を言っているのか、何を信じているのか、耳を傾ける必要がある」とまとめている。軍事的手段も選択肢のひとつだったが、実際にはペリー氏らは外交的解決に努力し、危機を回避した。