憲法9条「改定」問題は、自衛隊を実際には、どう動かすか? という問題になります。
その為には、自衛隊の部隊、装備、訓練などの実態を知ること、特に米軍とのかかわりを知る事が大事です。本当の姿はほとんど報道されていないので。
- 作者: 五味洋治
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2017/12/20
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これには自衛隊と米軍の関わりは、朝鮮戦争が大きく関係しているからです。
1950年7月8日、占領軍司令官のマッカーサーは、吉田首相に7万5000人の警察予備隊の創設と、8000人の海上保安庁の増員を司令した。
この「警察予備隊」という武装組織は、「ポツダム政令」によってつくられた。
したがって、憲法にもとづく国会での論議もしないでつくられたことになる。
米軍としては、日本に駐留していた7万5000人の米兵が朝鮮戦争の出動してしまったため、米軍基地が空っぽになり、武装組織を配備する事が必要になったから。
命令にもとづき政府は急遽、8月23日の入隊日に向けて、13日から約一か月間の試験が全国183カ所で行った。
警察官の月給が4000円の時代に5000円の給料、衣食住付きで待遇も良かった。
応募から3日間で16万6000人が応募、合格者は各地区の警察学校に入校した。
その後、米軍基地に移動させれれ軍事訓練が行われたそうだ。第一期生として入隊した佐藤守男氏は、「警察予備隊と市軍備への道(芙蓉書房)」で、
「行き先も知らされず、特別仕立ての専用列車に乗せられた隊員たちは、一様に不安なようすを隠しきれなかった。到着したと思ったら、そこはほとんどが米軍のキャンプであった。そして、米軍の下士官が突然現れて、明日から訓練を実施するといわれても、まるで狐につままれたような感じであった」と書いている。訓練は、米軍の教本を日本語に訳して使われたようだ。
背景には、北朝鮮の南進が早く、開戦2ヶ月ほどで韓国国土の95%を奪われたため、反攻するには、在日米軍を大規模投入するしかなかったからだ。
このあたりから、日本の再軍備への逆コースが始まった。