水俣病問題の研究・解明で先駆的役割をはたしてこられた原田正純さんが、昨日、自宅で亡くなられました。
77才でした。ご冥福をお祈りいたします。
原田さんは、「胎盤は毒物を通さない」と言うのが定説だった時代に、「胎児性水俣病患者」の存在を明らかにしました。
私は講演でしか話を聞いたことはありませんが、とつとつとした話しぶりに、強い信念を感じさせられました。
水俣病のたたかいは、日本社会の縮図です。企業と被害者、国家と被害者、官僚・行政と被害者・住民、被害を少なくしようとする政党政治家と全面救済の立場にたつ政党政治家、学者・メディアもほぼ同様の傾向です。
企業の利益と国家権力の立場に立つのか? それとも被害者・住民の立場に立つのか? これが、今でもずっと続いている日本の構図です。
原発、米軍基地、格差と貧困なども同じ構造です。私たちがあとに続き、正義を貫徹させる力を持ちたいと思います。
水俣病の大検診が24日行われます。検診は本来、加害者である国が損害賠償の出発点として行うべきものです。それをやろうとしません。ですから民医連などの医療関係者ほか、ボランティアスタッフのみなさんが休日に行なっています。ぜひ知ってほしいと思います。